長崎空港利用の外国人観光客 聞き取り調査 閉店の早さ、言葉に不満

長崎港の水際から山手まで光が連なる長崎の夜景(稲佐山山頂展望台から撮影)

 長崎県は26日、長崎空港で国際線を利用した外国人観光客への聞き取り調査結果を公表した。満足した訪問地は、佐世保市の九十九島やハウステンボス、長崎市の稲佐山、雲仙市の雲仙、小浜など。不満については飲食店、買い物場所の閉店時間が早すぎることなどが挙がった。市町の関係部署と共有し、観光施策に役立てる。

 調査は6月中旬、空港待合ロビーで県や観光連盟の職員が実施。国際線利用客94人(上海線22、香港線44、台湾線28)から中国語、英語で対面聞き取り調査をした。
 九十九島は景色やシーカヤック体験、接客が評価された。ハウステンボスは風景や夜景、稲佐山は夜景、雲仙は温泉や地獄の風景、小浜温泉街は海辺の風景だった。長崎市内は路面電車や街の雰囲気。全般的に「人が良かった」との意見もあった。
 不満や改善してほしい点は「飲食店のメニューが理解できない」「店員とのコミュニケーションが取れない」といった言語の問題もあった。空港については、搭乗手続きや入国審査が混雑し、トイレが少ないなど施設に対する不満も。路面電車の1日乗車券が車内で買えないという指摘もあった。
 上海線利用者は、団体・ツアー旅行と個人旅行の割合が2対1で、香港線はほぼ訪日リピーターの個人客。台湾線はチャーター便のため、全員がツアー客だった。
 調査結果は26日開かれた県議会IR・観光振興対策特別委員会に報告された。県国際観光振興室は「まとまった聞き取り調査は初めて。市町の担当者に認識してもらい今後の施策に生かしてほしい」としている。

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