長崎ペーロン選手権開幕 職域対抗 九州電力初V

職域で初優勝を果たし記念撮影をする九州電力=長崎市、松が枝岸壁

 長崎の夏の風物詩「長崎ペーロン選手権大会」(長崎新聞社などでつくる実行委主催)が27日、長崎港で開幕した。初日は職域、中学校、女性の3部門の選手たちが熱戦を繰り広げた。
 コースは長崎水辺の森公園側をスタート地点とした往復1150メートル。職域は10チームが出場し、九州電力が初優勝を飾った。2レースの合計タイムで競った中学校(5チーム)は、橘が2年ぶり17回目の優勝、女性(同)は福田西部女子が5連覇した。
 最終日の28日は一般対抗レースを実施。県外の2チームを含む計16チームが出場する。

 初日の結果は次の通り。
 ▽職域 (1)九州電力=5分06秒00(2)ソニーセミコンダクタ(3)西部ガスグループ
 ▽中学校 (1)橘=10分48秒62(2)深堀(3)小江原
 ▽女性 (1)福田西部女子=11分26秒27(2)福田東部BEAMS(3)三重女子
 
 
■大混戦制し悲願達成
 九州電力が最後までもつれた大混戦をゴール手前で抜け出し、長年の悲願を達成した。「みんなでつかんだ優勝なので、最高のひと言です」。主将の磯本竜也さん(30)は、感無量の表情で大粒の汗をぬぐった。
 これまでの最高成績は2位。昨年は3位。毎年、あと一歩で涙をのんできた。「今年こそ」-。メンバーの約半数が新人という編成で、4月中旬から始動。フォームやタイミングの確認のため、ドローンで撮影した練習動画をLINEで共有するなど工夫を重ねた。「きついけど、やれば成果が出るのがペーロンの魅力」と語る磯本さん。次の目標は「もちろん2連覇」と力強く宣言した。
 僅差の2位はソニーセミコンダクタ。初優勝を目指して、これまでで最も早い3月に練習を開始。週3回集まり、練習を重ねてきた。竹迫良太主将(36)は「悔しいが、出せる力は出し切れた。来年こそは優勝できるように力を合わせて頑張りたい」と前を向いた。

■猛練習で培った持久力とチーム力を発揮
 女性は福田西部女子が2レースともトップでゴールし、堂々の5連覇。「意地でつかみ取ろうという気持ちで臨んだ。うれしい気持ちでいっぱい」と主将の戸田佳花さん(20)は瞳を輝かせた。
 1レース目は福田東部BEAMSに0秒47差に詰め寄られた。最終レースは、これまで培った持久力を発揮。後半もペースを落とさず今年のチームのベストタイムを記録した。メンバーの多くが入れ替わった上、学業や仕事との両立のために全員がそろって練習できたのは数える程度。そんな厳しい状況をはねのけた結束力がチームを頂点に押し上げた。
 5チームで競った中学校は、2年ぶり出場の橘が、一糸乱れぬかいさばきで通算17回目の優勝。1レース目では、ベストタイムを約16秒も縮めるなど、2レースともトップタイムをたたき出した。
 昨年は人手不足で無念の欠場。今年は部活動を引退した3年生が主体となり、約1カ月間の猛練習でチーム力を高めてきた。主将の有馬周平さん(15)は「その成果を本番で出せた」と会心の笑顔を見せた。

スタートから積極的なレースを展開する女性の福田西部女子(手前から2艇目)=長崎港
レース終盤、懸命なラストスパートを見せる中学校の橘(手前)=長崎港

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