上場企業の時給第1位は8037円! それに比べて派遣・アルバイトの時給が… これが来年五輪を催す国の現実

お金が「無い」ところには、本当に無い!

ちょっと以前になりますが、電車に乗っていたら興味深い広告を目にしました。調査タイトルは「上場企業の時給ランキング2019」というものでして、個人的には「企業」よりも会社員の給料っていくらなんだろうと気になったんです。ライターはよく自分の薄給を口にするとき「時給にしたらさ…」と例えることが多いので。

ちなみにすごい昔のことなんですが、編集プロダクション勤務の20代男性が自分の時給を計算したところ(彼は月給制でした)、500円以下という悲哀あふれる金額だったことを覚えています。いや、私なんですけどね。

そこで今月は「時給」にまつわるデータを調査してみました。

まず、私が目にした「上場企業の時給ランキング2019」を一部抜粋したのが表1です。

第1位は経済誌でよく行われる「年収ランキング」でいつもトップを独走しているキーエンス株式会社で、その時給なんと8037円とぶっちぎりでした。ニュースでユニバーサル・スタジオ・ジャパン入場券の変動価格制を扱ったとき、8000円台なのを目にして「高ッ!」と吐き捨てましたが、キーエンスの社員は1時間仕事したら行けるんですね。スゲーよなー。

2位~4位は総合商社がズラリと並んでいて、7000円~6000円あたり。いや、これでも十分すぎるんですけど、キーエンスの8000円のインパクトが大きすぎて、もう何が何やら…。

続いて、表2は派遣求人の平均時給です。

全国平均が1476円で、エリア別では関東エリアの1561円がダントツのトップ。続いて関西エリアが1351円、東海エリアが1313円となっています。1日8時間働いたとして約1万2000円ですから、1カ月に20日勤務で24万円。そんなに多くはないんだなという印象です。

というか、上場企業ランキングの上位を見たあとだと、「まるで××のようだ」という眼鏡ダンディーのセリフが浮かんできました。

次は全国のアルバイトの時給を調査した結果が表3。

全国平均が1036円で、トップは関東エリアの1084円、最下位は北海道エリアの930円でした。関東エリアと北海道エリアでは約150円の差ですから、地域でかなり格差があるんだなという印象。まあ、国が定める最低賃金の全国加重平均額(平成30年度)が874円ですから、それは超えているという状況でしょうか。

最後に、主婦求人の平均時給を調査したのが表4です。アルバイトは全国平均こそ同じですが、首都圏と関西以外は1000円以下というのがビックリ。また、派遣についても首都圏が1300円を超えているだけで、あとは全て1200円以下となっています。表2の「派遣求人の平均時給」と比べると、主婦のそれはちょっと少なめになっているようです。

時給というのは〝1時間〟という短い時間なので、どれだけ働いて、その対価がいくらなのかがわかりやすい指標なんじゃないかと思います。みなさんも時間があるときに、自分の時給を計算してみてはいかがでしょうか。(文◎百園雷太)

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