東郷平八郎と山本権兵衛の子孫が対談 8月に「三笠」で

日本海海戦で勝利を祈願して三笠に掲げられたZ旗を手にする東郷宏重さん(左)と山本盛隆さん

 日露戦争(1904~05年)の日本海海戦でロシアのバルチック艦隊を破った旧日本海軍連合艦隊司令長官・東郷平八郎と、東郷を司令長官に任命した海軍大臣・山本権兵衛の子孫が8月25日、トークショーを開く。会場は、連合艦隊の旗艦だった記念艦「三笠」(横須賀市稲岡町)。横須賀の歴史などを紹介する郷土カルタを制作した実行委員会が、カルタ大会の特別企画として2人に依頼した。

 「横須賀カルタ」は、市民有志でつくる実行委が制作。横須賀の歴史や文化を七五調で紹介している。「アーケード 三笠の長さだ 大滝町」が読み札の「あ」の絵札には、三笠とともに平八郎が描かれている。

 カルタをPRするため、実行委は大会を企画。それ以外に何か特別な催しをと考え、実行委のメンバーとつながりのあった平八郎のひ孫・東郷宏重さん(59)=逗子市在住=と、権兵衛のやしゃご・山本盛隆さん(55)=大和市在住=にトークショーを依頼した。2人も「横須賀にゆかりのある子孫が語り合うことに意義がある」と快く応じた。

 宏重さんは県立横須賀高から防衛大を経て海上自衛隊に入隊。横須賀で勤務した経験もある。盛隆さんは坂本龍馬が好きで、愛好家の団体も設立。その活動を通じ、偉人の子孫と知り合う機会が増え、宏重さんとも知り合いになったという。

 海軍大臣だった権兵衛は舞鶴鎮守府司令長官の平八郎を連合艦隊司令長官に抜てきし、明治天皇に説明する際、「東郷は、運の良い男ですから」と評したとされる。平八郎と権兵衛の関係を示す逸話として知られている。宏重さんは平八郎と権兵衛について「若い士官の時、2人は近所に住んでいたらしい。孫にはとにかく優しいおじいさんだったようだ」と明かす。盛隆さんは「横須賀の皆さんは日本海海戦の話をよく知っていると思う。それ以外で聞いて元気になるような話ができたら」とトークショーを心待ちにしている。

 実行委は、午前10時から行う大会の出場者を募集している。定員は100人で、参加費は千円。申し込み・問い合わせは同実行委の齋藤秀一さん電話046(825)8727。

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