79歳フラメンコダンサー 8月に相模原で集大成公演

相模原を拠点に活動してきた北島歩さん、寿子さん、ナディアさん(左から)

 45年にわたってフラメンコスクールを相模原市内で主宰し、79歳の今もダンサーとして活動する北島寿子(ひさこ)さんの最後の舞台となる「フラメンコ、オペラを舞う~カルメン」が8月10日、相模大野駅近くの相模女子大グリーンホールで上演される。国内外の第一線で活躍するダンサー、演奏家、歌手、演出家らを招き、感謝の気持ちを込めて北島さんは鳥のように舞う。

 敗戦翌年の1946年、出身の新潟で7歳のころにバレエを習い始めた北島さんが、フラメンコにひかれたのは29歳の時。「奥が深く、魂で踊る姿に心を打たれた」と振り返る。

 日本のフラメンコの第一人者小松原庸子さんに師事し、ダンサーの道を歩むとともに、74年に相模原市南区相模台で、フラメンコのスクール「北島寿子スペイン舞踊スタジオ」を開設した。

 同じころにバレエスクールもスタート。若手の指導だけでなく、オペラやミュージカルの振り付けも多くこなしてきた。

 北島さんの足跡をたどるように、子と孫も同じく舞台に上がっていく。

 娘の歩さん(55)はフラメンコの踊り手となり、東京・新国立劇場でオペラ「カルメン」で主演を務めるなど国内外で活躍。孫のナディアさん(23)も、人気グループ「EXILE」のバックダンサーとしてミュージックビデオに出演するなど活動の場を広げている。

 これまで何度もステージに上がってきたが、今回を最後と決めたのは「若者にバトンタッチして、縁の下の力持ちになろうと思ったこと」が理由という。北島さんは「45年間、やりたいことをやりきった気持ち。娘、孫と協力し、これまでお世話になった方々の力も借りて、最後の公演を自分の集大成にしたい」と意気込んでいる。

 その舞台は、2部構成で計約100人が出演。北島さんは1部に登場し、和楽器の音色に合わせて佐渡のトキをイメージした踊りを披露する。また、尺八奏者の金子朋沐枝(ともえ)さん、市民謡協会の小山内清弦さん、篠笛奏者の山口幹文さんら、北島さんと交流のあるアーティストの演奏も楽しめる。

 2部は、カルメンを題材にフラメンコ、バレエ、オペラを融合させたオリジナル作品を上演。孫のナディアさんが主役のカルメンを演じ、市内出身のオペラ演出家・馬場紀雄さんが演出する。フラメンコダンサーの奥濱春彦さん、マルコ・バルガスさんを招くほか、オペラ歌手、フラメンコギタリストや市合唱連盟合唱団も参加する。

 北島さんは「フラメンコ、バレエ、オペラ、和楽器が融合した新しい舞台にしたい」と話している。

 市洋舞連盟と市の主催。午後4時開演。全席自由席で前売り券は6千円、当日券6500円。問い合わせは、市洋舞連盟の北島さん電話042(746)5835。

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