市民交流重ね姉妹都市30年 松浦市と豪マッカイ市  相互訪問 延べ1300人に

片仮名で自分の名前を書く書道体験をするマッカイ市の青少年使節団=7月4日、松浦市立青島小中学校

 長崎県松浦市とオーストラリア・マッカイ市が姉妹都市締結をして今年で30年になる。締結に当たり両市の間で約束されたのが「市民主体の交流」。以来、両市は隔年で市民親善訪問団、1991年からはほぼ毎年、中高生の青少年使節団の派遣や受け入れを続け、これまでに延べ約1300人が互いの市を訪問し、交流を深めてきた。
 マッカイ市はオーストラリア・クイーンズランド州の人口約11万人の都市。松浦市に立地する火力発電所への石炭積み出し港が近郊にあることが縁で、89年7月22日に姉妹都市締結の調印式をした。
 30周年に先駆け、今月3日、マッカイ市の14歳~17歳の16人が青少年使節団として松浦市を訪問。受け入れは20回目で、一行はホストファミリーの市民の家で1週間ホームステイしながら、市内の保育園児や小中高生と七夕や書道などで交流。日本の風習や伝統文化を楽しんだ。
 このうち2人のホームステイ先となった志佐町の池田美智代さん(47)は「来月、娘2人が松浦市の青少年使節団としてお世話になるので、今回ホストファミリーを引き受けた。言葉の問題もあり、最初は不安だった」と言う。
 しかし、受け入れてみると、2人が長女(15)と同い年だったこともあり、すぐに打ち解けた。「言葉が通じないもどかしさはあったが、日本人とは違う考え方や習慣に触れ、いい経験になった」と話す。
 ホームステイにかかる費用はホストファミリーの負担。担当する市生涯学習課の橋本純子さんは「使節団の受け入れは市民のボランティアがあってこそ。マッカイ市も同様で、世話をした、してもらった者同士が家族を巻き込んで友情や人と人とのつながりを生み、両市の交流の強い絆になっている」と話す。
 その例として、マッカイ市には「松浦通り」という愛称の通りがあり、5月5日には日本の文化を紹介するイベントを開催。松浦市でも1月26日のオーストラリアの「建国記念日」前後に「オーストラリア・デー」を設け、マッカイ市民とのテレビ電話交信などのイベントがある。
 今年12月には30周年を記念してマッカイ市の訪問団が来日し、松浦市で記念式典が開かれる。友田吉泰市長は「積み重ねてきた市民レベルの交流を国際交流の担い手確保や育成につなげていきたい。志佐町の中央公園にマッカイ市を親しむことができる市民の憩いの場をつくる計画を進めている」と両市の交流の一層の発展に期待を寄せる。

保育園児と七夕飾りづくりで交流したマッカイ市青少年使節団=7月4日、松浦市、上志佐保育所

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