避難の在り方、一人一人が考える 鶴見川氾濫想定し講座

避難のため、あらかじめ取るべき行動を決めておくことが大切と呼び掛けた「マイ・タイムライン」の講座 =横浜市港北区の鶴見川流域センター

 鶴見川流域の水害避難に向けた「マイ・タイムライン」の講座が28日、横浜市港北区の鶴見川流域センターで初めて開かれた。参加者はハザードマップなどから身近なリスクを知り、住む場所によって異なる避難の在り方を考えた。

 マイ・タイムラインは、台風接近時などの避難に生かすため、一人一人に必要な準備や行動開始のタイミングをあらかじめ定める「防災行動計画」。鬼怒川の決壊で多くの住民が逃げ遅れた2015年9月の関東・東北豪雨を教訓に普及が進められている。

 参加者はまず、雨に見立てたビー玉を流域の模型に転がし、地形の特徴や降った雨がどのように流れていくかを確認。遊水地などの整備が進んだ今でも、雨の降り方によっては氾濫の恐れがあることを教わった。

 マイ・タイムライン作りでは、台風発生段階から氾濫時までを想定し、「川の水位を調べ始める」「避難しやすい服装に着替える」といった行動を時系列で整理。講師を務めたNPO法人鶴見川流域ネットワーキングの小林範和事務局長は「川があふれ出してから逃げるのでは遅いが、必ずどこかへ避難しなければいけないということではない。上の階へ移動する選択肢もある」と、それぞれの状況に応じた計画作りを呼び掛けた。

 小学校5年の長男と3年の次男と参加した神奈川区の女性(35)は「具体的に決めておかないといざというときに行動できない。マイ・タイムラインはとても大切」と熱心に取り組んでいた。

 講座は同センターの主催で、8月11日にも実施を予定している。

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