海星の強打が最後も相手エースをのみ込んだ。準決勝までのシード3校との対戦で防御率0.33を誇った鎮西学院から、12安打で10得点。この打線に火をつけたのは、紙一重でレギュラーをつかんだ2番の大串だった。2打席連続の二塁打で先制、駄目押しにつなげたヒーローは「自分で勢いをつけたかった」と充実感をにじませた。
昨秋、背番号「3」で初めてベンチ入りしたが、冬が明けて状態が上がらず、春の県大会は「15」。代打で出場も結果を残せず、チーム内の位置付けも“1班”から“2班”に降格した。
「最も大事」(加藤監督)なゴールデンウイーク。1班が合宿で不在の中、ラストチャンスの練習試合で打ち続けた。元三菱重工長崎の捕手、松尾祐也外部コーチとのマンツーマンの特打の成果を披露。最後の夏を前に再び1桁を取り返した。
打順は2番。1番松尾悠が出れば、足を警戒する相手の直球をたたき、凡退すれば自ら好機をつくる-。迎えた今大会。9安打のうち本塁打を含む7本が長打で、打率は3割4分6厘。「長いのも打てて、率も残せる2番打者」を全うした。
次の相手は全国の強豪たち。「小さいころから甲子園でホームランを打つのが夢だった。いいチャンスをもらった。ぜひ打ちたい」。もちろん、思い出づくりのためではない。県を代表する強打を見せつけて、勝つために。
“夏の海星”ぶれず頂点 大串 12安打10得点の口火 「長打も率も残せる2番」
- Published
- 2019/07/29 12:23 (JST)
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