岡本太郎の母親、作家・岡本かの子の生涯たどる 川崎

生前の岡本かの子の写真などが展示されている企画展=中原図書館

 現在の川崎市高津区二子の地に生まれた作家岡本かの子の生誕130年と没後80年を記念した企画展「岡本かの子の文学」が、市立中原図書館(同市中原区)で開かれている。30日まで。

 芸術家・岡本太郎の母親としても有名なかの子は、豪商として知られる大貫家の長女として1889年に生まれた。1939年に亡くなるまで小説やエッセーなどを発表し、精力的に活動した。

 企画展では生前のかの子の姿や自筆の原稿などを写したパネル約30点を展示。かの子の文学が生まれるまでの背景や写経を通じ仏教に傾倒していた姿など、かの子の生涯を知ることができる。また、若き日の岡本太郎と船上で納まった写真も展示されている。会場にはかの子関連の書籍も並び、貸し出しにも対応している。

 展示は巡回企画展と銘打ち、同館以外の市立図書館6館でも8月以降、順次開催される予定。中原図書館は「川崎と縁の深い作家を知ってもらうきっかけになってほしい」と話している。

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