A.B.C-Z・五関晃一が舞台「奇子」で単独初主演! ジャニー氏の「You、小っちゃいよ」を勘違い!?

A.B.C-Zの五関晃一が単独初主演を務める舞台「奇子(あやこ)」の公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

手塚治虫生誕90周年記念事業として同名漫画を舞台化した本作は、敗戦直後の青森を舞台に、大地主・天外一族による遺産相続をめぐる骨肉の争いを柱に、彼らの欲望の果てに産み落とされ、土蔵に幽閉して隠し続けた少女・奇子の存在を通し、旧家の愛欲や時代の闇を浮き彫りにする物語。出演は、五関のほか、三津谷亮、味方良介、駒井蓮、深谷由梨香、松本妃代、相原雪月花、中村まこと、梶原善。

GHQのスパイとして生き延びてきた天外家の次男・仁朗を演じている五関。右目に黒い眼帯をつけたミステリアスなビジュアルで、欲にまみれた一族を忌み嫌い、自分の生き方にも苦悩しながら、奇子を守ろうとする仁朗を悲哀たっぷりに熱演。時折、冷徹でドSな一面をのぞかせたり、アクロバティックなアクションを披露したりと、さまざまな表現に挑戦。単独初主演ながら堂々とした姿を見せた。

囲み取材には五関、天外家の長男・市朗役の梶原、上演台本と演出を手掛けた中屋敷法仁が登場。単独初主演については「初めて聞いた時、単純に喜んだんですよ。“やった、単独主演だ!”って。で、話をいろいろ聞いていくと手塚さんの生誕90周年とか、どんどんいろんなものが乗っかってきて(笑)。原作も読ませてもらって、だんだんプレッシャーを感じていきました」と笑う。また、「最初は、時代背景もそうですし、それぞれが持っている欲とかもどこかファンタジーに感じてしまったぐらい、(自分と)かけ離れている出来事だなと思ってしまったので、それをよりリアルに突き詰めていくのが大変でしたね」と稽古時の苦労を語った。そのために中屋敷に「たくさん相談させてもらった」とのことだが、本来、自身はあまり人に相談をすることはないと言い、「人に相談しない、感情を吐露しない、という部分だけは仁朗と唯一重なりますね。それ以外は、もっと素直な優しい人間です、僕は(笑)」とちゃめっ気たっぷりにアピール。

原作を愛する中屋敷は「原作が熱くて、そこに僕のめちゃくちゃな演出が入って、大変だろうなと思うけど、端から見ているとノリノリでやってる感じがあった。さらに五関くんなりの解釈が入っていて、アーティストとして取り組んでくれた。(仁朗を演じている)五関くんが本当にカッコイイ」と絶賛。梶原にも「余裕しゃくしゃくでやっていた」と褒められた五関は謙遜しつつ、「善さんとまことさんに本当に助けられました」と大先輩に感謝を述べた。

また、先日逝去したジャニー喜多川氏について「僕が1人で舞台に立っているのを見るのは初めてだと思うので、ぜひ喜んでほしいなと。ただ、ダメ出しをされないように気を付けなきゃ」と気を引き締めた。ちなみにジャニー氏から過去に受けたダメ出しは「8、9割が『You、小っちゃいよ』なんですよ」と言い、「なので今回、奇子役の蓮ちゃんが、スタイルが良くて身長も高いので、インソールをずっと入れさせてもらってます(笑)」とまさかの告白。すると梶原が「ジャニーさんが言う“小っちゃい”っていうのは気持ち的なところじゃないかな(笑)?」とツッコミ。五関は「だからずっと言われてたんですね(笑)」と爆笑していた。

同作は東京公演を終え、8月3、4日に大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。

撮影/加藤幸広 取材・文/四戸咲子

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