光点滅、音声呼び掛け JR横須賀線武蔵小杉駅転落防止策

朝のラッシュ時、大勢の人で混み合うJR武蔵小杉駅の横須賀線ホーム

 JR東日本横浜支社は、ラッシュ時の混雑が課題となっているJR武蔵小杉駅(川崎市中原区)の横須賀線ホームに、転落防止措置として、スレッドラインと呼ばれる点滅するラインと、音声で注意を呼び掛けるセンサーを新たに設置する。センサーは11月末、ラインは2020年3月末からの使用開始を予定している。

 スレッドラインは、点字ブロックと平行する形で上下線のホーム際に設ける。約3.5センチ幅のライン上に等間隔でLEDライトを埋め込み、電車の到着直前に進行方向に流れるように点滅。視覚で注意を促す。

 また、階段やエスカレーター付近などホーム上の狭い場所(計6カ所)にセンサーを取り付け、ホーム端約30センチの部分に人が立ち入った場合に検知。「お下がりください」とのアナウンスを流して、音声で注意喚起を呼び掛ける。

 同支社によると、横須賀線の武蔵小杉駅は2010年3月に開業。周辺で高層マンションが建ち始めた時期と重なり、朝夕を中心に混雑がひどい状況が続いている。現在、1日の乗降客は、横須賀線と南武線で計約26万1500人に上り、開業当初の想定(約18万人)のおよそ1.5倍に達している。

 市と同支社は15年に包括協定を結び、臨時改札の設置などに取り組んできた。「ホームからの転落事故が起きかねない」と利用者から再三の改善要望を受け、23年度の供用開始を目標にホームを増設する方針も打ち出している。

 同駅の横須賀線ホームは曲線状であることや、停車する電車によってドアの位置が異なることなどからホームドアの設置が難しい部分もあるが、同支社は新ホームの整備後にホームドアの設置を検討するとしている。今回のスレッドラインと音声センサーは、それまでに可能な安全対策として設置に踏み切った。

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