渋滞解消へ 「江の島大橋」拡幅完了 8月から3車線に

江の島大橋3車線化の完成イメージ

 藤沢市の江の島と対岸を結ぶ「江の島大橋」の拡幅工事が完了し、8月3日に3車線での利用がスタートする。2020年東京五輪のセーリング競技開催に向けた会場整備の一環で、長年の「渋滞名所」が解消される見通し。地元の悲願を実現させた五輪のレガシー(遺産)として、大会後の観光振興にも期待が高まりそうだ。

 3車線化は、沿岸部の国道134号交差点付近から島内のヨットハーバー入り口近くまでの約900メートル。うち約320メートルの橋部分は1.4メートル拡幅した上で中央分離帯を撤去、江の島方向の車線(東側)を2車線とした。島内入り口近くにある「なぎさ駐車場」の入場待ちの列と直進する車の導線を分け、渋滞緩和につなげる。両方向の車道に沿って新たに自転車専用レーンも設けた。

 大橋は湘南港建設の工事用道路として1962年に完成、2年後の前回東京五輪開催に合わせて一般利用が始まった。休日を中心に渋滞が慢性化しており、橋上が車列で埋め尽くされる光景が定着。県が16年の大型連休に実施した調査では、国道まで延びる渋滞が午前10時半から午後5時まで続いた。

 拡幅工事は江の島がセーリング競技会場に決まったことを受け、県が事業化を決めた。16年6月に着工し、事業費は総額約13億円。黒岩祐治知事は「五輪本番に向けて大いに前進した。渋滞はずいぶん解消され、観光地としての活性化にもつながっていく」と期待を示した。

 開通は3日午前9時。午後にはヨットハーバー内に県が新設した「江の島セーリングセンター」(地上3階建て)の完成記念式典も開かれる。

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