れいわ新選組から参院議員に初当選したALS患者の舩後靖彦(ふなご・やすひこ)氏(61)と重い障害のある木村英子氏(54)が8月1日、国会に初登院した。多くの報道陣に囲まれながら2人は抱負を語った。
「皆さまのご期待に応えられるようになります」と声を発せない舩後氏の介助者が文字盤を使って言葉を読み取る形でコメント。木村氏は「期待と不安半々です」「制度の改正には、時間のかかるこの大きな問題を改善していくために、これからは国会の中で頑張って取り組んでいきたい」と語った。介助者が代わりに登院ボタンを押すと、二人とも自身の名前が点灯するのを感慨深げに見つめた。
参院では大型の車いすでも利用できるよう本会議場の議席を改修し、初登院に用いられる中央玄関には仮設のスロープを用意。本会議場には介助者が付き添い、正副議長選挙の記名投票では介助者が代筆した投票用紙が、参院事務職員に手渡された。
議員活動中の介助費についても、参院が当面負担することを決めている。重い身体障害がある議員の活動に必要な介護サービスの費用について、日本維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は7月31日に「介助制度がないと働けないのか。違うと思う。支援を受けずに働いている人もいる」と、一部を自己負担すべきだと主張。これに対して、れいわ新選組の山本太郎代表は8月1日の民放テレビ番組で「障害者が自らポケットマネーを出して働ける状況をつくるのは明らかに間違いだ。あしき前例になる」と反論した。
(構成/共同通信=柴田友明)
【特集】