「画が出ないカメラ」に100万円 ロボット産業推進へ

SEtech社が開発した「画が出ないカメラ」

 藤沢市は31日までに、市内ベンチャー企業「SEtech」(同市藤沢、関根弘一代表取締役)が開発した「画(え)が出ないカメラ」に対し、ロボット産業推進事業補助金100万円を交付することを決めた。同市が取り組むロボット未来社会推進プロジェクトの一環で、市内中小企業のロボット産業への参入を促進する狙い。

 同製品は、カメラの特定領域に動きがあったときのみ画像を映す。その発展形として開発したのが、背景の静止領域を消して動きの輪郭だけを表示する「動きベクトル」。

 これまでに技術の改良を進め、カメラが映し出す情報量の一層の削減を達成。今回の補助金を活用し、さらなる加工を施し、動く物体の特徴情報を抽出する技術開発に取り組む計画だ。

 具体的には、手の輪郭だけが表示されるという仕組みを生かし、パネルに触れなくても空間の指先の動きを捉えて反応する「アンタッチパネル」の開発やリハビリロボットへの展開を推進していくという。

 同社は4年前に研究開発型ベンチャーとして創業。市内の起業支援に取り組む湘南藤沢インキュベーションセンターを拠点にしている。

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