「原城跡」大雨で被害 斜面4カ所が崩落 南島原

崩落した「本丸跡」の斜面=南島原市南有馬町、原城跡

 南島原市は31日、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」を構成する「原城跡」(南有馬町)の斜面4カ所が、7月下旬の大雨の影響で崩落したと明らかにした。石垣など重要な遺構に被害はなかった。

 南島原市教委文化財課によると、崩落したのは「本丸跡」と「二ノ丸跡」の斜面や海に面した崖。このうち二ノ丸跡の崖面は幅約10メートル、高さ約8メートルにわたり崩れ落ちた。

 南島原市では、7月20日午後1時から22日午前9時にかけて147ミリの雨量を観測した。市は22日までに4カ所の崩落を把握。23日以降、県と文化庁に被害状況を報告した。

 同課によると、原城跡の斜面は今回を合わせ、過去3年で計8カ所崩落している。同課は「表面の緑化など修復の工法を検討したい」としている。

 原城跡は、江戸時代にキリシタンが多かった島原半島や天草の農民が幕府軍と激戦を展開した「島原・天草一揆」(1637~38年)の古戦場で、国史跡に指定されている。

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