「平和の種」を送ろう 寄贈折り鶴の灰を同封 カード作り進める 波佐見高 美術・工芸科

メッセージカードに同封する折り鶴の灰をふるいにかける太田さん(右)と生徒=波佐見高

 東彼波佐見町長野郷の県立波佐見高美術・工芸科の生徒が、長崎原爆資料館(長崎市)などに寄贈された折り鶴の灰と、植物の種を同封したメッセージカード作りを進めている。さまざまな場所に送り「平和の種」を育ててもらう狙い。送り先は今後検討する。
 波佐見町を拠点にアートを通じた平和の発信や地域活性化を目指す「HASAMIコンプラプロジェクト」の一環。主催する一般社団法人「金富良舎(こんぷらしゃ)」(松尾栄太郎代表)は昨年から、折り鶴を焼却した灰を焼き物やお香の原料として再利用する活動に取り組み、同校も参加している。
 今年は岡山県の現代美術家、太田三郎さん(69)が長年取り組む「SEED Project(シード・プロジェクト)」と連携。7月29日は1、2年の約30人が、太田さんの指導を受け、折り鶴の灰や種を入れる袋を作った。
 今後は長崎市の爆心地周辺で植物の種を拾い集め、同封する。生徒からは「被爆者に送りたい」「原爆投下のことをあまり知らない子どもたちに送って、考えるきっかけに」などのアイデアが出ていた。

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