語ろう、地域の課題 三浦学苑高生徒が催し、解決策模索

ディスカッションイベントのプレゼンを開き、参加を呼び掛けた生徒ら =横須賀市内

 地域が直面する課題を見つめ解決策を模索しようと、三浦学苑高校(横須賀市衣笠栄町)の生徒たちが立ち上がった。8月に住民や企業、政治家などを招いたディスカッションイベント「よこすか・ゆめ・みらい」を開催する。出された意見は生徒らが取りまとめ、市議会に届ける予定だ。

 イベントを企画したのは同校の特進クラスに所属する1年生24人。「政治」「人口減少」「福祉」「環境」など12のテーマを設けた上で、生徒各2人を担当として配置する。それぞれのテーマについて横須賀市や三浦市で起こっている事象を洗い出し、解決策を来場者とともに探る。

 きっかけは、身近な問題への考えを深めるため、大型連休中に生徒たちが書いた小論文だった。人口減少が進む両市で過疎の現状を分析した生徒もいれば、米海軍や海上自衛隊の基地のある横須賀市の特性から「集団的自衛権」について論じた生徒もいた。

 生徒同士で相互に読み進めて意見交換を重ねるうちに、生徒の間から「自分たちだけでなく地域の人とも考えてみたい」との声が上がった。イベントの開催を後押しした国語科の佐々木綱衛教諭(37)は「地域特有の課題を通じて社会の在り方を考えることは、生徒たちの将来に必ず役立つ」と期待を寄せる。

 本番を約1カ月後に控えた16日には、女子生徒4人が同市内で、イベントの告知のために地元の企業経営者や市議会議員らに向けてプレゼンテーションを行った。根岸花玲さん(15)は「高校生が政治について話せる機会は貴重。他の高校の生徒にも来てほしい」と参加を呼び掛けた。リーダーの平田文さん(15)は「幅広い意見を知ることで、自分たちの今後の行動に生かしていきたい」と意気込みを語った。

 イベントは8月18日午後1時から5時半まで、同校で開催。参加希望者は「よこすか・ゆめ・みらい」のホームページから申し込む。問い合わせは、同校電話046(852)0284。

© 株式会社神奈川新聞社