"扇風機"は部屋別・機能別で使い分け、ひんやり涼しく過ごす方法

記録的日照不足が続いた今年の夏。気づけば8月です。

梅雨が終わったと思ったらいきなりの"猛暑"。身体が暑さに追い付かない人も多いのではないでしょうか。

この時期に活躍する家電といえば“扇風機“。

「今年こそは欲しいな、新調しようかな」と思っていても、いざ買おうと家電ショップに行くと種類がありすぎて、何を選べば良いのかわからない…。

最近では、"羽なしの扇風機"や"分解収納できる扇風機"、外出時などに手で持つ"パーソナル扇風機"などもあったりして、その機能性やメリット&デメリットも気になります。

そんな疑問を解消すべく、今回は「扇風機についての基本知識」や「室内別、用途別でオススメの扇風機の種類」についてお話しします。


扇風機ってなんで涼しく感じるの?

扇風機って、冷房のように冷たい空気を出してくれるわけでもないし、ただ室内の空気を巻き込んで風を起こすだけ。なのに、その風に当たるとなぜか不思議と涼しく感じますよね。なぜでしょうか?

その答えは、"人の身体の熱"にあります。人間は、風がないと自分が発する熱で覆われてしまい「暑い」と感じます。逆に風が吹き、身体から発生した熱を発散できれば涼しく感じます。

これが扇風機の風は冷たくないのに、その風に当たると涼しく感じる理由です。ちなみに団扇をあおぐと涼しく感じるのも同じ原理です。

扇風機で最大限、涼しくする方法とは?

扇風機の効果を最大限に引き出して涼しくする方法を考えてみましょう。

1つは 「扇風機の前に氷水を置く」という方法。氷水で冷やされた風はとても涼しく感じます。

2つめは 「部屋にこもった熱気を室外に放出する」という方法。部屋の熱気を動かすための扇風機(1台目)と、その熱気を網戸などに向けて室外へ放出するための扇風機(2台目)を必要としますが、体感温度の低下は見込めると思います。

そして3つめが一番効果的な方法、 「エアコンとの併用」です。

エアコン吹き出し口の方向を熱気の溜まりやすい天井に向け、その部屋でエアコンの冷風が一番遠くに届いているあたりへ扇風機を置きます。そうすると、空気の循環が早くなり、エアコンの設定温度も必要以上に低くせずに済みます。扇風機を首振り設定で動かすとさらに効果的です。

扇風機、DC(直流)とAC(交流)の違いとは?

ACモーターは周波数に応じて一定の回転速度を保つことができますが、無段階に回転数を変化させることが難しく、「弱」「中」「強」のような切り替えが一般的です。

DCモーターは電圧を上下させると無段階に回転数の変化が可能となるので、そよ風のような微風から、春一番のような強風まで、その場に適した風を、より微細に作り出すことができます。また、運転音が静かなのも特徴のひとつです。

リビングと寝室ではどんな扇風機を選んだらよい?

リビングは過ごす時間も長く、出入りも多いので、やはり省スペースで場所をとらないタワータイプがお勧めです。最近のタワータイプは、リビングと調和しやすいデザイン性とインテリア性にも長けています。

「使わない時期は邪魔だから片付けたい」という方には、分解して収納できる扇風機もオススメです。

寝室は、やはり静音性に優れた扇風機がお勧めです。DCモーターが採用されていて「おやすみタイマー」などの安眠をサポートする機能を有している扇風機を選ぶと良いでしょう。

羽のあるタイプとないタイプの違いとは?

最近では、羽がない扇風機も増えてきましたね。だからと言って「羽あり扇風機は時代遅れ」なのかと問われれば、そういうわけでもありません。"羽あり扇風機"は上下左右への可動範囲を有しており、羽があるからこそ広範囲に風を運ぶことが可能です。また、組み立て・分解が可能なものも多く、コンパクトに収納できるのも魅力的です。

一方、"羽なし扇風機"は、小さなお子様が羽と接触するリスクも抑えられているため、思わぬ事故を防ぐことができます。さらに、周囲の空気を巻き込みながらムラのない風を運んでくれます。それぞれに特性があり、優れている点があります。

価格や機能、自宅での使い勝手などの要素を見極めるためにも、家電販売店に足を運んで、販売員の方々に相談してみることをオススメします。

パーソナル扇風機は効果あるの?

最近は、イヤホンのように肩にかけるものや、手持ちのものなど「パーソナル扇風機」と呼ばれる携帯用扇風機を見かける機会も増えました。

パーソナル扇風機は、部屋で使うよりも外出時や、野外でのスポーツ観戦といった環境で効果を発揮すると思います。USBを用いて充電するタイプのものが多く、面倒な電池交換を不要としているのも特徴です。

2020年の東京オリンピックで野外競技を観戦するシーンなどでは大きく貢献してくれるのではないかと思います。

長引く梅雨が明けた後は猛暑が予想される今年。上記を参考にして、扇風機を賢く使って、クーラーの電気代を抑えましょう。外出する機会が多い方は、パーソナル扇風機の購入も検討してみてはいかがでしょうか。

(構成/青山ネムリ)

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