生活保護費の不適切処理、横浜市南区 私費で補てんも

横浜市南区役所 外観

 横浜市は1日、南区生活支援課にいた20代の女性職員が生活保護費の一部を私費で補填(ほてん)するなど計10件の不適切な事務処理を行っていた、と発表した。7月31日時点で判明している生活保護費の過払い額は計163万3024円、未支給額は計61万8330円。

 過払い額が計130万5914円、未支給額が53万3330円に上るケースでは、生活保護を利用していた男性が年金受給などで利用しなくなったにもかかわらず、女性職員は男性の収入を確認せず、保護費を過払いした。その後、再び男性が利用することになり、支給額を前より増額する必要があったが、手続きなどをせず、差額分を私費で穴埋めした。補填額は推定で52万3515円。

 女性職員は16年4月から3年間、同課に所属。後任の職員がこの男性の事務処理を不審に思い、女性職員が在籍中に担当した139件を同区が調査した。

 他の9件は過払いや未支給など。上司と同姓の印鑑を購入し、決算文書に押印したケースも10件のうち3件あった。

 女性職員は「確認し忘れたのがきっかけで事が大きくなり、言い出せなくなった」などと釈明しているといい、同課は「再発防止に向け、チェック機能を強化する」としている。

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