神奈川県内の自殺者が140人減 過去10年で最少に

県内の自殺者数と自殺死亡率の推移

 2018年の県内の自殺者数は前年より140人少ない1136人で、過去10年間で最も少なかったことが1日、県のまとめで分かった。全ての年代で自殺者数が前年より減少。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)は前年比1.6ポイント減の12.4で、徳島県に次いで全国で2番目に低かった。

 県が県警のデータを基に集計・分析した。全体のうち、男性は741人(前年比147人減)、女性は395人(同7人増)。年代別では、全ての年代が前年を下回ったものの、40代が最多の227人で全体の2割を占めた。50代(194人)、70代(166人)と続き、中高年層の割合が高かった。10代は27人、20代は129人だった。

 職業別では無職が702人で全体の6割を占めた。次いで、被雇用者・勤め人(362人)、自営業者(52人)の順。原因・動機別(複数計上)では、「健康問題」が466人で最も多く、「家庭問題」(195人)、「経済・生活問題」(166人)と続いた。

 県はこれまで、自殺の危険性を察知して支援や見守りにつなげる「ゲートキーパー」の養成や電話相談、一般向け講演会などを展開してきた。同日の定例会見で黒岩祐治知事は「こうした取り組みの効果が表れた」などと説明した。

 ただ、全国的にも若年層の自殺者数の減少幅が小さい傾向があることから、会員制交流サイト(SNS)を活用した相談体制の整備を検討する考えを示した。

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