「ねないこ」、おいでよ せなけいこさんの展覧会

絵本を模した展示も行われているせなけいこさんの展覧会=横須賀美術館

 ロングセラーの絵本「ねないこだれだ」で知られる絵本作家・せなけいこさん(87)の創作活動をひもとく展覧会が9月1日まで、横須賀美術館(横須賀市鴨居)で開かれている。同作品の誕生50周年を記念した企画で、原画やデビュー前のイラストなど約300点を展示。同館は「子どもだけでなく大人も、せなさんの世界を楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 せなさんは逗子市在住。「貼り絵」を表現技法に、子どもやおばけ、動物が登場する温かい作風で知られる。

 1969年、何に対しても「いやだ」と駄々をこねるルルちゃんが主人公の「いやだいやだの絵本」シリーズ4冊でデビュー。「あーんあんの絵本」(全4冊)、「おおきくなりたい」(全4冊)、「めがねうさぎ」シリーズなど、世代を超えて読み継がれる代表作を数多く生み出している。

 会場には、「いやだいやだの絵本」4作、「あーんあんの絵本」4作の全ページ分の原画を展示。雑誌や書籍のイラストなど、デビュー前の歩みも、資料とともに紹介する。絵本「あーんあん」がお気に入りという横浜市金沢区に住む男児(4)は「自分も貼り絵をやってみたい」と話した。

 同館では7月6日から始まり、これまでに計約1万8千人が来場した。展覧会は来年9月まで、愛知県、大阪府、広島県でも開かれる。

 午前10時から午後6時まで。一般千円、高校・大学生は800円、中学生以下は入場無料。3日午後2時から、学芸員によるギャラリートークも行われる。問い合わせは同館電話046(845)1211。

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