専門家が斜面崩壊現場調査 田辺市の奇絶峡

斜面崩壊の現場を調査する専門家ら(1日、和歌山県田辺市上秋津で)

 和歌山県田辺市上秋津の奇絶峡近くで大規模な斜面崩壊が発生したことを受け、林野庁近畿中国森林管理局は1日、山地崩壊に詳しい専門家の協力を得て現地調査をした。崩壊地の今後の対策などを検討するのが目的で、後日、調査結果を公表する。

 専門家は京都大学防災研究所(京都府宇治市)地盤災害研究部門の松浦純生教授と、森林総合研究所(茨城県つくば市)森林防災研究領域山地災害対策室の岡本隆室長で、林野庁や県、田辺市の職員、地盤・地質調査会社の社員ら約30人とともに訪れた。

 斜面崩壊があった現場は、県道に大量の岩がたまったまま。専門家2人は現場を眺めながら、近畿中国森林管理局の職員や調査会社の社員から斜面崩壊の状況やこれまでの調査結果、対策内容などを聞いた。

 その後、工事用モノレールに乗って山に登った。山の斜面一帯は地滑りのように動いており、斜面の動きや落石を抑えるためにアンカーを打ち、ロープを張るほか、地下水を抜く工事を続けている。専門家らは説明を聞きながら、斜面の動いた跡などを確認した。

 調査結果は後日、近畿中国森林管理局のホームページで公表する。

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