地域の商品 発掘、通販 10月からFFG 中小企業対象 販路拡大後押し

地域総合商社事業の全体像

 ふくおかフィナンシャルグループ(福岡市、FFG)は2日、地域の優れた商品を開発、ブランド化してインターネット上で販売する「地域総合商社」事業を10月から始めると発表した。FFG傘下のiBankマーケティング(iBank社)が事業を担い、地域の中小企業の販路拡大を後押しする。
 iBank社によると、急速なデジタル化が進む中、自社でウェブサイトを持つ余力がない中小企業は少なくない。時代や顧客のニーズの変化に商品を対応させられず新たな顧客層を開拓できないケースが課題となっている。
 事業では、ウェブ上で商品を販売できる地域版のサイト「エンニチ」を開設する。FFGの取引先を中心に、地域企業の商品を発掘。アパレルブランドや地域で活躍するデザイナーを企業に紹介し一緒に商品を作るなどして価値を高める。商品開発の資金調達も支援する。
 運用開始までにファッションやインテリア、日用雑貨など100~200品数の取り扱いを目指す。必要経費は、大手サイトと比べて3分の1程度に抑えられると想定している。
 サイトの認知度を高めるため、iBank社のネットワークを活用。iBank社が開発したお金管理アプリ「ウォレットプラス」内やFFGの銀行窓口などを通じてPRしていく。
 福岡市内で会見したiBank社の永吉健一代表取締役は「掲載数が膨大な大手サイトでは埋もれてしまいがちな地域の商品にスポットライトを当てていきたい」と話した。

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