兄弟が協力「味守る」 小杉のラーメン店・いちい 新会社で再出発

「いちい」の再出発を喜ぶ市井智久さん(左から2人目)と晴久さん(同3人目)ら

 射水市小杉地域で親しまれ、昨年冬に閉店した射水市三ケ(小杉)のラーメン店「ニューいちい」が1日、「いちい」としてオープンした。昨年11月に他界した店主に代わり、2人の息子が新会社を設立。兄弟が力を合わせ、祖父や父から受け継いだ味を守り続ける。

 店を開いたのは、市井智久さん(35)と晴久さん(32)。祖父が1955年に小杉駅前でラーメン店「いちい」を開業。72年に現在の場所に移り「ニューいちい」となった。鶏ガラや豚骨を煮出したスープに縮れ麺が入った昔ながらの中華そばが愛された。

 しかし、2代目の敬さんは生前、人に頼まれて借金の保証人になったため、店が昨年冬、自己破産した。復活を願う声が多く、兄弟は新会社を設立。金融機関などの協力で店を買い戻した。

 オープン初日、午前10時の開店直後には待ちかねた客で満席となった。母の呼瑞(こずい)さん(63)が見守る中、兄弟は「親しまれた味を消したくない、という一心だった。ここまでこれたのは多くの人たちのおかげ」と口をそろえた。

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