8月4日、2019年FIA-F2第8戦ハンガリーのレース2が開催され、ミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)がFIA-F2初優勝をポール・トゥ・ウィンで達成。シューマッハーと終始激戦を演じた日本の松下信治(カーリン)が2位フィニッシュし今シーズン3度目の表彰台を獲得した。
決勝レース2の規定周回数は28周、ピット義務はなし、気温が20℃、路面温度が40℃を超えるドライコンディションの下でレースは行われる。ポールポジションはミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)、2番手には松下。
昨日のレース1でライバルがバーチャル・セーフティーカー(VSC)中の運用に関するペナルティにより5位フィニッシュとなった松下だが、レース後に裁定が覆り7位に。そのためフロントロウスタートが叶った。
その後ろには3番手にジョーダン・キング(MPモータースポーツ)、4番手にセルジオ・セッテ・カマラ(ダムス)と続く。そして日本時間18時25分、決勝レース2がスタートした。
ホールショットをシューマッハーが奪うが松下も応戦、サイドバイサイドで1コーナーに進入する。アウト側にマシンを振った松下だったがオーバーシュートしコースオフ。しかしレースペースに影響はなく2番手でコース復帰、順位をキープし虎視眈眈と前を伺う。
8周目、タチアナ・カルデロン(BWTアーデン)が1コーナーでアルジュン・マイニ(カンポス)の左リヤと接触した際に右フロントサスペンションを痛めてしまいストップしリタイア。なおカルデロンはマシンをエスケープエリアに止めたためVSCなどは導入されずに済んだ。
松下はタイヤを温存しつつトップのシューマッハーに1秒前後の差をキープ、後方に3番手のセッテ・カマラを従えながら周回していく。
レース1とは打って変わって全体的に静穏な状態を維持し各マシンがラップを重ねていく。それでも15周を終了しトップのシューマッハーから10番手のカラム・アイロット (ザウバー・ジュニアチーム)までが9秒以内に収まっている。
トップ争いは、2番手松下や3番手セッテ・カマラが探り探りの状態を10周以上続ける。そして17周目、セッテ・カマラが1コーナーのブレーキングで松下のインに飛び込む。だがここは松下がクロスラインをうまく利用し2番手を奪い返し終盤戦へ。
23周目、松下が首位シューマッハーに0.640秒と徐々に距離を詰める。両者のタイヤは綺麗に磨耗しており、ドッグファイトの様相を展開。プレッシャーを感じたかシューマッハーは翌周のブレーキングで白煙を上げる。ワンミスが命取りなる状況となって残り5周に。
2台は1秒以内の間隔を保ちながらファイナルラップに突入。DRSを使って直線区間ではマージンを詰める松下だがコーナーではシューマッハーが速く、このまま逃げ切って今シーズン初優勝を達成。
パルクフェルメにマシンを止めたシューマッハーと松下はお互いの健闘を称え合い握手と抱擁を交わした。
シューマッハーは「素晴らしいマシンだったよ。ノブ(松下信治)とのバトルは楽しかったね。ただタイヤが厳しくて終盤はつねに後ろを確認しながら走ったよ」と語った。
終始接近戦を演じた松下は2位でフィニッシュし、初優勝した第6戦オーストリアのレース1以来となる、今シーズン3度目の表彰台を獲得した。
松下は「ミックを追い抜くために猛プッシュしました。しかし彼は素晴らしい走りでミスがありませんでした」とコメントした。
3位にはこちらも堅実な走りを見せたセッテ・カマラが入っている。
第8戦ハンガリーレース2終了時点のポイントランキングトップはニック・デ・フリース(ART)が196ポイント、2番手に166ポイントのラティフィ、セッテ・カマラが141ポイントで3番手につけている。
次戦ベルギーは日本時間8月31日(土)〜9月1日(日)に行われる。
■FIA-F2第8戦ハンガリー 決勝レース2 リザルト
Pos. No. Driver Team Time/Gap Start Pos.
1 9 M.シューマッハー プレマ・レーシング 28Laps 1
2 2 松下信治 カーリン 1.453 2
3 5 S.セッテ・カマラ ダムス 3.396 4
4 16 J.キング MPモータースポーツ 4.177 3
5 15 J,エイトケン カンポス 4.960 6
6 4 N.デ・フリース ART 11.428 7
7 6 N.ラティフィ ダムス 12.314 8
8 8 L.ギオット ユニ ヴィルトゥオーシ 12.930 5
9 7 Z.グアンユー ユニ ヴィルトゥオーシ 13.821 9
10 11 C.アイロット ザウバー・ジュニアチーム 23.877 10
11 19 A.フバート BWTアーデン 26.891 11
12 20 G.アレジ トライデント 29.527 13
13 1 L.デルトラズ カーリン 35.741 20
14 12 J-マヌエル・コレア ザウバー・ジュニアチーム 38.514 14
15 3 N.マゼピン ART 39.932 12
16 14 D.ボッコラッチ カンポス 40.093 19
17 10 S.ゲラエル プレマ・レーシング 40.737 15
18 21 R.ボスチャング トライデント 42.857 18
19 17 A.マイニ MPモータースポーツ 59.688 17
— 18 T.カルデロン BWTアーデン DNF 16