宿題「夏休み前半に」 麻生区に臨時学童保育所 川崎

「臨時学童」で宿題に励む児童とボランティアの大学生=川崎市麻生区

 「学校の宿題は夏休みの前半に終わらせよう」を合言葉に、NPO法人アイゼン(川崎市麻生区)が長期休み限定の「臨時学童保育所」を同区内で開いている。大学生のボランティアが児童に寄り添い、算数や国語のドリルはもちろん、社会科の研究までサポートする。理事の俵隆典さん(45)は「増えつつある共働き世帯の支援になれば」と話している。

 アイゼンが臨時学童を開くのは昨年の夏休み、冬休みに続き3回目。宿題をため込みがちな子どもたちのやる気を上手に喚起するとともに、臨時学童内で宿題を済ますことで、帰宅後の家族のふれあいの時間を大切にしてほしいとの思いから続けている。

 臨時学童となる場所は、俵さんの知人が経営する学習塾「麻生プレップスクール」が無償で提供。指導を担当するのは、区内に住む学生ボランティアたちだ。学校の宿題だけでなく、児童と共に近隣の神社に調べ学習に出ることもあれば、数独やパズルにも挑戦するなど一般の学習塾とは違った活動を進めている。

 俵さんによると、市の学童保育「わくわくプラザ」は宿題に取り組むことを専門としていないため、そうしたサービスの提供が難しい上、学習指導員も子どもに対しての人数が不足気味という。

 アイゼンの臨時学童は、児童に対し十分な人数のボランティアがサポートするため目が行き届く点が特徴だ。子どもを預ける保護者からは「課題の出来栄えに満足」「友達も一緒に通いたいと言っている」といった声が寄せられているという。

 今夏の参加人数は5人と少なく課題も抱えるが、俵さんは「潜在的なニーズはある」と指摘。「将来的には市の学童保育が充実し、発展的解消するのが本来のあるべき姿なのでは」とも語る。

 看護師を目指し、ボランティアを務める大学生の間瀬葉月さん(20)は「子どもたちと一緒にいるだけで楽しい」と笑顔。参加する小学校3年生の女児(8)も「家で1人で勉強するよりも友達と一緒に勉強できて楽しい」と話している。

 土日を除き、8月9日まで開催。費用は1日2500円。問い合わせは、NPO法人アイゼン電話044(819)6919。

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