観光客2億人を維持 大型催し反動で微減 18年県調査

横浜中華街

 2018年に県内を訪れた観光客数は延べ2億26万人で、17年に比べ43万人(0.2%)減ったことが5日、県の調査で明らかになった。前年開催された大型イベントの反動で総数が押し下げられたものの、夏場の天候に恵まれるなど17年に続き2億人台を維持。各地で観光資源の磨き上げを進める取り組みも奏功し、好調に推移しているようだ。

 県内33市町村が集計した観光客数を県がまとめた。調査結果によると、日帰り客は1億8235万人で前年比169万人(0.9%)減少。一方、宿泊客は1791万人で127万人(7.6%)増えた。

 日帰り客の減少は、17年実績を押し上げた「全国都市緑化よこはまフェア」(横浜市)に代わる大規模イベントが開かれなかったことが主な要因とみられる。横浜・川崎地域は507万人(7.9%)の大幅減で、新たな宿泊施設オープンに伴う宿泊客の増加数(113万人)を上回った。

 一方、平年より梅雨明けが早かったことから、海水浴客を中心に各地で観光客が増加した。猛暑の影響で鎌倉や箱根といった観光地の客足は落ち込んだものの、地域の祭りなどに多くの人出があった。丹沢・大山地域で228万人、湘南地域で139万人、三浦半島で57万人、それぞれ増加した。

 ここ数年の観光客数を巡っては、箱根・大涌谷の火山活動の影響も懸念されるが、18年は小康状態が続いていた。県は来月開幕のラグビー・ワールドカップ(W杯)や来年の東京五輪・パラリンピックを控え、19年以降も好調に推移するとみている。

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