ぼうこうがん 被爆で発症リスク高 長崎原爆病院が発表

 日赤長崎原爆病院(長崎市)は5日、被爆者の患者は「ぼうこうがん」の有病率が、一般の患者よりも高いとする調査結果を発表した。
 同病院が2015年までの10年間に受診した被爆者の男女計約1万2千人を対象に、一般患者の有病率と比較して調査した。
 爆心地から2.5キロ未満で被爆した人の有病率は1.07%で、被爆していない一般患者は0.72%だった。特に被爆時の年齢が10~19歳の患者は1.20%で、被爆していない同年代の患者の有病率0.68%と比較すると、発症リスクは約1.7倍となった。
 また、同病院が進めている1958年から2008年までの約50年間の紙カルテの電子化について、これらのデータを生かして来年から被爆者に関する本格的な疫学調査を開始することを明らかにした。
 同病院によると、18年度に入院した被爆者は前年度より139人少ない1563人で、新規患者全体の20.4%。平均年齢は81.6歳だった。入院理由は悪性新生物(がん)が36.5%で最多だった。
 日赤長崎原爆諫早病院(諫早市)も同日、被爆者の診療概況を発表。18年度に入院した被爆者は前年度より38人少ない269人で、新規患者全体の16.2%だった。

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