奈良の夏といえば…すっかり風物詩となった「なら燈花会」。5日に初日を迎え、特別な10日間が始まりました。今回はその見どころや裏側を取材してきました!
そもそも「なら燈花会」って?
1300年前には都として栄えた奈良。広大な自然の中に古代の日本の面影が残っています。そんな奈良にふさわしい、どこか懐かしさを感じ、心を癒してくれるろうそくの灯り…
奈良公園を中心に、たくさんボランティアの方々の手で毎夜「ろうそく」が灯され、人々の様々な祈りを照らします。今年で21回目を迎える、今や奈良では恒例のお祭りです。「燈花」とはろうそくの芯の先にできる花の形のかたまりのことで、これができると縁起が良いとされています。
美しい灯りの裏側に…
このイベントは有志とボランティアのみなさんが集まり、私たちに美しい光景を届けてくれています。今回はその裏側も取材してきました。
午後6時30分―
オープニングセレモニーを前に、カップに「ろうそく」を浮かべていきます。このろうそく、なら燈花会が始まって以来、3度も改良が加えられていて、当初よりも遥かに持ちが良くなったそう。
ろうそくを浮かべ終わったボランティアの方々、次は何やら銀色のわっかのようなものをカップに取り付けていきます。
実はこれ、風で火が消えてしまわないようにするための「風除け」なんだとか。熱くなっていますので絶対に触らないでくださいね。
子鹿さんたちも初めて見る燈花会に興味津々!こんな微笑ましい様子を見かけても、子鹿さんたちを追いかけたりせず、優しく見守って下さいね!
そして、午後7時―
点灯の合図とともに、ひとつひとつ手作業で灯していきます。
夕焼けがどんどん夜に飲まれていくなかで浮雲園地にはポツリポツリと光の花が咲いていきます。
この光景の美しいこと!
お話を伺うと「毎年参加しているんです!」とボランティアの皆さん。この美しい光景は、燈花会、そして奈良が大好きな皆さんの手で出来上がっていくのですね。いよいよ開幕した「なら燈花会」。続いては、その見どころをレポートします!
地上に浮かぶ天の川
まず、訪れて欲しいのは東大寺からほど近い、メイン会場・浮雲園地です。若草山のふもとに広がる芝生広場いっぱいにろうそくが灯されるさまは、まるで地上に描かれた天の川のよう。
浮雲園地へはJR奈良駅・近鉄奈良駅からバスで「春日大社本殿行」、「市内循環」、「高畑町行」に乗車し「大仏殿・春日大社前」で下車すぐです。入り口ではボランティアの方々がパンフレットやガイドマップを配っていたり、今年限定の「令和元年」という文字が迎えてくれますよ!
ここからスタートがオススメです。
悠久の歴史を感じて
浮雲園地のお隣、春日野園地。
ここでは圧巻の灯りとともに、ライトアップされた東大寺大仏殿を望むことができます。この期間しか味わえない、奈良ならではの風景を楽しんでみてください!
インスタ映え必須のスポット!
風鈴の涼やかな音色に導かれてやってきたのは、浅茅ヶ原会場です。
ここでの見どころは竹で作られたオブジェ。「なら燈火会」のロゴが入った灯りとともに、インスタ映えを狙えるスポットです。ゆるい斜面になった広場に点々と浮かぶ灯りの幻想的で、ここでゆっくり腰を下ろして休憩する方も多く見受けられました。
ちょっと足を伸ばして…
歴史的建造物とのコラボレーションも見どころです。浅茅ヶ原会場を進んだところにある鷺池に浮かぶ八角堂形式のお堂・浮見堂。
縁取るようにろうそくが灯されており、水面に映し出される様子はとてもロマンティックです。
ここはマストで押さえて!
浮雲園地を奥に進むと見えてくる「奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~」の庭園では、赤や緑など色とりどりの灯りが、花やハートに見立てて並べられていたり、イラストが描かれた行燈など、バリエーション豊かな灯りが迎えてくれます。
こちらもインスタ映えを狙えるスポット!
さらに「一客一燈」という、ろうそくを灯す体験もこちらで参加できます。火を灯しながらお願いごとをすると叶うというジンクスも!
「一客一燈」の参加費・500円は来年の燈花会への協力金として充てられます。
飲食ブースもこちらにありますので、ぜひここまで足を伸ばしてみてください!
奈良ならではの風を感じる特別な体験を
猛暑が続いていますが、夜の奈良公園は夕涼みに最適です。それでも熱中症対策に、こまめな水分補給は忘れずに。人々が織りなす手作りの灯りと、奈良の歴史溢れる自然たちが作り出す幻想的な世界に、あなたも祈りを捧げてみませんか?家族と、恋人と、友人と…忘れられない夏の思い出になること間違いありません。「なら燈花会」は14日(水)まで、毎夜19時~21時45分までの開催です。