不戦へ「私の願い」俳優・宝田明さんの半生描く 小田原で朗読劇

朗読劇の見どころを語る沢木さん(左)と井料さん=小田原市役所

 俳優・宝田明さん(85)の半生を通して戦争の悲惨さと不戦の大切さを描く音楽朗読劇「私の願い」が12日、小田原市民会館(神奈川県小田原市本町)で行われる。実行委員会は「歌やお芝居などを楽しみながら、平和への思いを新たにしてほしい」と話している。

 音楽朗読劇は、昨年の藤沢をはじめ全国各地で上演されてきた「宝田明物語」を改題したもの。作品の主題歌で宝田さんが作詞した「私の願い」を小田原公演のタイトルとした。

 公演は2部構成で、第1部は宝田さんの旧満州(中国東北部)での戦前の少年時代から始まり、敗戦後の苦難の引き揚げ、戦後の苦しい生活を経て映画「ゴジラ」(1954年)で初の主役に抜てきされるまでを描く朗読劇。第2部は宝田さんが出演した舞台の主題歌などを集めたミュージカル仕立ての舞台となる。

 宝田さんが少年時代から青年時代までの自身を演じるほか、劇団四季出身の沢木順さんや井料瑠美さんらが出演する。また、公募した市民合唱団約80人も「私の願い」「上を向いて歩こう」など4曲を歌う。実行委によると、地元の市民合唱団は各地で共演しているが最大規模という。

 7月24日の会見で沢木さんは「宝田さん本人が本人を演じる。すごい臨場感がある。彼の人生を生きる力にしてもらいたい」、井料さんは「終戦記念日の前に平和へのメッセージを受け取ってほしい」とそれぞれ話した。

 午後1時半開演。チケットはS指定席4千円、A自由席3千円、2階自由席2千円。申し込み・問い合わせは、実行委・金子あそみさん電話080(5510)9510。

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