主将森田10回決勝打 高岡商

高岡商-石見智翠館 延長10回表高岡商2死二、三塁、勝ち越しの2点適時三塁打を放つ森田=甲子園(写真部・金田侑香里)

■変化球捉え激闘にけり

 小技、本塁打、そして決勝打-。延長十回に殊勲の2点適時打を放った主将の森田はチーム最多の4打点を記録。吉田真監督は「チーム全員が彼を信頼している。存分に期待に応えてくれた。100点満点だ」と、その活躍を絶賛した。

 森田は「一番良かったのは、初回に出塁できたこと」と言う。最初の打席は自らの判断でセーフティーバントを成功させた。「セカンドが深く守っているのが見えた」と冷静に状況を見極めて二塁手の前に打球を転がし、先制点をお膳立てした。

 二回は2死二塁の好機で打席が回った。低めの変化球を2度空振りし、ベンチからは「低めを捨てて高めを思い切り振れ」との指示。直後に投じられた外角高めの直球を見逃さなかった。振り抜いた打球は左翼ポールを直撃。「本塁打になるとは思わなかった。風が運んでくれた」とほほ笑んだ。

 相手の粘り強い攻撃で同点に追い付かれ、延長戦に突入したが、ナインは「県大会でも延長戦は経験した。自分たちの得意なパターン」と声を掛け合った。十回は安打や死球、犠打でつなぎ、2死二、三塁で打席には再び森田。「後ろに良い打者がいる。自分はつなぐだけ」。変化球を捉えて勝ち越しの2点三塁打とし、塁上で右の拳を突き上げた。

 2時間57分に及ぶ激闘を制し、2回戦に駒を進めた高岡商。森田は次戦に向けて気持ちを切り替えた。「まだまだ課題はある。もう一回、このチームで野球ができることに感謝して一からやり直したい」 (西部本社・田辺泉季)

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