職場体験研修

 長崎新聞の編集局には毎年、中学生が職場体験にやってくる。取材や紙面作りを通して、新聞がどうやってできるのかを体験してもらっている。先日、体験に訪れたのは生徒ではなく小学校の先生。民間企業などで職場体験をする研修でやってきた▲新聞は身近なものだが、どうやって作られているのか知らないことばかり。「これはチャンスだ」と、新聞社を希望したという▲平和祈念式典の記者会見があるというので、長崎市の計らいで会見場に入れてもらった。式典の流れなどの説明や、司会を務める高校生2人の会見もあった▲終了後に感想を聞くと、式典に向けての行政と報道機関のやりとりが新鮮だったという。一方、生徒らは司会に決まったときの心境を聞かれ語っていたが「決まった後にいろんなことを考え、原爆への思いも変わったはず。それも聞きたかった」と、生徒の心に思いをはせる先生らしい指摘もあった▲勤務している小学校では、子どもたちが自分が載った新聞の切り抜きを持ってきて、それをコピーして教室に張っていると教えてくれた▲研修では先生に記事も書いてもらった。研修の話をしながら、その記事を子どもたちと一緒に張り出す。そんなほほ笑ましい光景が頭に浮かんだ。学校で新聞が少しでもお役に立てればうれしい。(豊)

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