富山村田製作所がフレックス制拡充 やる気と生産性向上

 富山村田製作所(富山市上野、井上亨社長)は、勤務時間を柔軟に決められるフレックスタイム制を3交代勤務のオペレーター以外のほぼ全ての部門が利用できるようにした。人手不足が課題となる中、効率的な働き方やモチベーション向上につなげる。 (経済部・池亀慶輔)

 主力とするスマートフォン向け部品は季節によって繁閑の差が大きい。業務量の変化に柔軟に対応し生産性を高める。時差の関係で通常の勤務時間だとやりとりしにくかった海外の取引先とのコミュニケーションを円滑にする狙いもある。従来は生産管理部門など一部に限られていたが、今年6月から対象を拡大した。

 各部署が午前6時半から午後10時までの間で時間帯を選択。最低限働いてもらう核となる時間は午前10時~午後3時15分、もしくは4時間半と設定している。

 萱原史也取締役事業所長は「仕事にメリハリがつき、早く帰宅できるようになった」と話し、一定の成果が上がっているとした。

 同社は今後、事務作業を担う管理部門を対象にパソコンで行う定型的な業務を自動化する「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」の導入を検討。社員の作業負担を軽減し、より生産性の高い仕事に集中できる環境を整える。

 スマホ向け部品の需要増に伴い、同社の従業員数は2014年の約1200人から約2千人に増加した。工場などの延べ床面積も約4万8千平方メートルから8万平方メートルに拡大。敷地の制約からさらなる増築は難しく、現在の人員規模で生産性を高める重要さが増している。

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