市民の質問に自動回答 海老名市が「チャットボット」導入

チャットボットによる海老名市の案内サービスの様子。市のイメージキャラクターが会話形式で回答してくれる

 海老名市は今月、市ホームページ(HP)や無料通信アプリ「LINE(ライン)」で、市民の問い合わせに文字で自動回答する「チャットボット」を導入した。市によると、県内の自治体でHPとラインの双方に採用するのは初という。あらかじめ登録してある想定問答で対応するシステムのため、現在はまだ多くの質問に答えられない課題も。市は想定問答を随時増やし、機能強化を図っていく考えだ。

 チャットボットは自動で応答するため、「基本24時間365日、いつでも誰でも問い合わせができる」(市シティプロモーション課)のが特長。業務の効率化が図れるなどとして民間企業のほか、自治体でも活用が進んでいる。

 今月1日に導入された市のチャットボットは、えび~にゃが会話形式で回答する。現在は、9月30日に市内で始まる家庭系ごみの一部有料化に向けた案内を手厚く紹介。指定収集袋の値段やごみの出し方などを教えてくれる。

 このほか、届け出や証明書の入手方法や、防災情報について項目を選びながら尋ねることなどができるが、市の場合は人工知能(AI)で質問を自動認識するものではなく、事前に登録した想定問答やキーワードで対応しているため、答えられる質問には限りがある。

 応答できない場合は、えび~にゃが「ごめんにゃ~(中略)これから勉強して、答えられるようにするので、まっててね」とコメント。それと共に入力フォームが現れ、利用者がシステムへの要望や助言などを書き込める仕様も取り入れている。

 県内では、横浜市が資源循環局のHPでAIで自動回答するチャットボットを活用。ごみの品目を入力すれば出し方を案内するサービスを展開している。一方で、コスト面などを考慮してAIを導入していない海老名市は、回答なしや誤答を避けるためには、想定問答のデータを増やしていく必要があるという。

 同課は、「チャットボットにどんどんワードを登録し蓄積していき、市民からの多様な質問に回答していけるようにする。(導入初期の)現在が正念場」と説明している。

 利用するには、市HPのトップ画面の左下にあるえび~にゃの画像をクリックする。ラインは「海老名市」を検索して友達追加すると利用できるようになる。いずれも無料。

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