諫干最高裁判決 9月13日 開門「無効化」可否が焦点

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門確定判決を巡り、開門を強制しないよう国が漁業者に求めた請求異議訴訟で、最高裁第2小法廷(菅野博之裁判長)は7日までに、9月13日に上告審判決を言い渡すことを決めた。
 開門確定判決を事実上無効化した二審福岡高裁の判断が見直されるかが焦点。一方、漁業者による開門請求訴訟など2件では6月、「開門しない」とした判決が最高裁で確定しており、開門と非開門の司法判断のねじれが解消され、長年の法廷闘争に終止符が打たれるかも注目される。
 漁業者による開門請求訴訟で、福岡高裁は2010年12月、「3年猶予後、5年間開放」を国に命じ、国が上告せずに確定。国は14年、確定判決の執行力排除を求める請求異議訴訟を佐賀地裁に起こし、一審は敗訴した。
 二審福岡高裁は昨年7月、「漁業者の共同漁業権(10年免許制)は13年8月末で消滅し、開門請求権も失われた」とし、国が逆転勝訴したが、漁業者側が上告。最高裁第2小法廷は7月26日、口頭弁論を開いたが、判決期日を指定しないまま結審した。
 農林水産省は「上告審口頭弁論以降、和解協議の打診があったかどうか、コメントは差し控えている」と述べた。漁業者側弁護団の堀良一事務局長は「最高裁が弁論を開いたら、原判決が見直されることが多いといわれるため、最高裁が正しい判断を示すことを期待している」と話した。

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