悪臭のラン藻分解 富山環境興研 水槽向け製品開発

ラン藻を分解する天然酵素を入れた製品

 富山環境興研(富山市久方町、松井富士夫社長)は、観賞用水槽の底石や壁面などに発生し、悪臭や見栄えの悪化の原因となる緑色の細菌「ラン藻」を分解する天然酵素の製品を開発した。熱帯魚やメダカ、水草などを育てる愛好家の需要を見込んでいる。

 同社はパパイヤやヤシの実に含まれる菌から抽出した天然酵素と、富山湾の海洋深層水を混ぜ合わせた商品を製造。希釈倍率に応じて酵素の働きが変わる点に着目し、洗浄材や消臭材として売り出している。

 ラン藻用の製品「水にもサプリ」は、魚のふんや餌の食べ残しを分解する水槽用商品を改良した。ラン藻に酵素液をスポイトなどで注入するだけで、30分から1時間で水と二酸化炭素に分解できる。天然成分のため、水槽内の生物には影響がないという。

 今春から相手先ブランドによる生産(OEM)供給をしており、市内の業者がインターネット通販で取り扱っている。今後、さらにOEM先を増やし、製造を強化する。

 松井社長は「水族館のような大型水槽でも効果が期待できる。清掃作業の省力化に役立ててもらいたい」と話す。

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