県内小学生5万人割れ ピーク時の3分の1

 文部科学省は8日、2019年度の学校基本調査の結果(速報値)を公表した。5月1日時点の県内の小学生は4万9847人で、1948年度の統計開始以来初めて5万人を割り込んだ。中学生も2万7235人で最少を更新。ともにピーク時の約3分の1に当たる。児童・生徒の減少は小学生が11年、中学生は5年連続。県内の各自治体は、少子化の進展に差はあるものの学校再編の動きを加速させている。

 高校生は2万7680人で、1万3158人だった1948年度に次いで少ない。減少は2年連続。

 児童・生徒数は、団塊の世代が小中学生だった50年代後半~60年代前半がピークで、小学生は58年の15万9700人、中学生は63年の8万17人が最多だった。

 少子化に伴い、学校数も減少。2019年度は、1948年度に比べて小学校が51.7%減の188校、中学校が49.4%減の82校となった。

 児童数がピーク時の4割に減った高岡市は2018年度、先送りしてきた小学校再編を決めた。再編は26校を7減の19校とする内容で、今後10年間で完了、または道筋をつけるとした。

 08年に市中心部の小学校7校を2校に統合した富山市は広報紙8月号に、児童数減少や学校の小規模化の現状に関する1ページ特集を掲載し「学校の統廃合は将来的に避けて通れない大きな課題」と強調。市教委は「市内を13ブロックに分け意見交換する。地域や保護者、市教委が一体となって議論を深めたい」(教育総務課)と話す。

 魚津市は13年度、12小学校を23年度までに4校に再編する計画を策定。16、18、19年に統合校3校がそれぞれ開校した。残る2校による統合は24年度を予定しているが、市教委は「児童数の減少は計画策定時の予測よりも鈍く、推移を見守っている状況だ」(教育総務課)と言う。

 射水市は、11年に小学校13校を8校に再編する計画を策定したが、現在は保留中。市教委は「複式学級が続くといった統合検討の基準があるが、いまは該当するケースがない」(学校教育課)としている。  (政治部・柵高浩)

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