軍艦島 石綿は非検出 観光客上陸、きょう再開

 世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産」を構成する「端島炭坑」(軍艦島)で、大気汚染防止法の基準値を超えるアスベスト(石綿)とみられる繊維物質が検出された問題で、長崎市は9日、検出された物質は石綿ではなかったと発表した。10日から観光客の上陸を再開する。
 市によると、繊維物質を民間業者に委託して調べた結果、大半が石こうや塩化ナトリウムと判明した。降雨などが原因で島内の劣化したコンクリートから石こうが溶け出し、結晶化して飛散した可能性が考えられるという。3日に軍艦島で再度検査したが、石綿は検出されなかった。
 ただ、市は軍艦島の建築物で非飛散性の石綿が使用されていることを確認しており、今後調査を実施する方針。2009年の上陸解禁以降に実施している石綿検査の回数も、現行の年1回から増やすことを検討する。

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