【MLB】“不良債権”の大砲が激怒、ベンチで監督に殴りかかろうとするも…2日後に和解

オリオールズのクリス・デービス【写真:Getty Images】

激しい口論の様子が地元テレビで流れ波紋、GMは「苛立っていたことが表面化した」

 オリオールズのクリス・デービス内野手が試合中にダグアウトでブランドン・ハイド監督と激しい口論を繰り広げ、波紋が広がっている。7日(日本時間8日)の本拠地ヤンキース戦でデービスが激昂し、指揮官に掴みかかろうとするところを同僚に止められる場面が地元テレビの中継で映し出されていたが、2日後の9日(同10日)に両者が和解したと地元メディアが報じている。

 MLB公式サイトは「クリス・デービスとハイド監督が和解」とのタイトルでレポート。記事では「クリス・デービスとブランドン・ハイド監督がダグアウトで口論してから2日後、2人は監督室で1時間以上話し合った。オリオールズはデービスに処分を与えなかった」と伝えている。

 事件が起こったのは7日の試合。「8番・一塁」でスタメン出場していたデービスは、3回の第1打席は空振り三振に倒れた。さらに、3点ビハインドで迎えた5回にヤンキース先頭ジャッジのニゴロを処理した二塁手ビラーの送球を捕球できず。オリオールズの右腕カストロは続くウルシェラに2ランを浴びて、リードを5点に広げられた。

 すると、この回が終わったところでデービスが激怒し、ハイド監督に詰め寄ろうとする姿が映し出された。トランボら同僚が止めたため殴り合いにはならなかったものの、指揮官と選手が衝突する姿は地元メディアに大きく取り上げられた。デービスは直後の攻撃で代打を告げられ、その日は試合が終わる前に球場を後にしたという。

 ただ、その2日後に2人は無事に和解した。MLB公式サイトによると、マイク・エライアスGMは「これにより、彼らの関係が悪くなったり、チームへの悪影響はない。クリスのような選手が、現在の成績で、チームの負けが多い状況において苛立っていたことが表面化した」と話し、デービスは5回にビラーの送球を捕球できなかった時に苛立ちが頂点に達したと明かしたという。

本人は反省「そうするべきじゃなかった」、監督は「関係が更に強まった」

 今季は、昨季から続いていた連続無安打を62打席まで伸ばし、メジャーワースト記録を更新していたデービス。かつて本塁打と打点の2冠王に輝いた強打者は、16年から22年まで7年総額1億6100万ドル(約170億円)の超大型契約を結んでいることもあり、“不良債権”として批判を浴びている。今季成績は打率.181、9本塁打、31打点、OPS(出塁率+長打率).584と一向に状態が上がらず、苛立ちが募っているようだ。

 デービスは記事の中で「しばらくの間、僕が打撃で苦戦していることは明らかだと思う。失敗続きで苛立っている時、あのようなことが起こる。感情をぶちまけてしまうことがある。残念ながら、それがダグアウトで起こった。そうすべきじゃなかった。公の場でするべきじゃなかったが、戻って変えることはできない」と謝罪。一方、ハイド監督は「私たちはお互いにリスペクトしていて、本当に強固な関係を築いている。私も彼もこのようなことが起こったことは良くないと思っているが、多くのことについて話し合い、良い会話ができたと思っている。このことにより、関係が更に強まったよ」と話したという。

 今季も38勝77敗の勝率.330という厳しい成績で、ア・リーグ東地区最下位に沈むオリオールズ。チーム全体にフラストレーションが溜まっていることは確かなようだ。(Full-Count編集部)

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