「財布がない」。10日未明、自称川崎市幸区在住、派遣社員の男(54)は酔ってふらつく足で、JR川崎駅近くの交番に向かった。警察官は不在。机の上に警察用電話機が置かれていた。
受話器を取り、川崎署に連絡しようとしたが、なぜかつながらない。いらつき、受話器をたたきつけた。が、いきおい余って転倒。頭を床に打ち付け、血が流れた。男は携帯電話で119番通報した。
横たわる男と壊れた受話器。事件を疑った救急隊員が同署に連絡。男は駆け付けた署員に事情を話し、器物損壊容疑で逮捕された。財布の遺失届が受理されたことが、男にとってせめてもの救いか。