来年は東京オリンピックを控えた東京。全国的なホテル活況という中で東京にも次々と新しいホテルが誕生しています。中でも目立つのは大型ホテルというよりも小規模なビジネスホテルという印象があります。確かにビジネスホテルは出張はもちろん、観光でも人気を博している宿泊施設です。小さな土地に建設できるあたりも、ホテル不足といわれる都心で増加している理由かもしれません。
ところで、ビジネスホテルは業界では“宿泊特化型ホテル”ともいわれ、宿泊以外のサービス提供が基本的にないことが特徴といえます。客室は決して広くはなく、備品や設備もシンプルといった印象でしょうか。一方で宿泊特化型にして、広めの客室や質の高いベッドを導入するなど付加価値を追求、“進化系”といわれるビジネスホテルも増えてきました。
常識破りな運営会社による常識破りのホテル
進化系の宿泊特化型ホテルといいましたが、今回紹介するのはある意味で“進化の極み”、都心の好立地にして“全室ワンフロア貸切”（全室禁煙）“45㎡の広々客室”という「ホテルパセラリビング」です。場所は東京都新宿区新宿6丁目の明治通りに面した角地。東新宿駅（大江戸線・副都心線）のA3出口より徒歩2分という好立地です。ホテル内はエントランスロビーから客室までバリアフリーなので、駅からエレベーターを利用すれば“駅から客室までバリアフリー”ということに。重いスーツケースでも助かります。
「パセラ」と聞いてピンと来た人もいるかもしれません。カラオケで知られる運営会社が手がけたホテルなのです。同社では進化型カプセルホテルとして知られる「豪華カプセルホテル安心お宿」など、カラオケ意外の業態にも積極的に進出、既存の施設にはなかった新たなスタイルの宿泊施設を展開しています。
全室ワンフロアというのも狭小の土地に建てられたホテルゆえですが、通常このような立地に宿泊特化型のホテルを作るとすれば、狭い土地といえどもなるべく客室数を増やすのがセオリーです。全室ワンフロア1室で45㎡という常識破りな客室にした理由としては、「自宅のようなリビング」「自宅のようにくつろげるホテル」をテーマにしていることが挙げられます。
ファミリーをはじめ、女子会やグループなどをターゲットにしているということですが、それは客室を見ると納得できます。まず印象的なのが大振りのソファと6人座れるダイニングテーブル。また、本格的なキッチンを備えており料理も存分に楽しめます。調理器具や食器ももちろん完備。
また、冷蔵庫内にセットされたドリンク（2ℓペットボトル）やアイスクリームは全て無料。コンビニエンスストアが隣接、スーパーマーケットも近くにあるので長期滞在に何かと便利。
100インチプロジェクターも完備
壁付けされた65インチのテレビは存在感たっぷりですが、なんと100インチプロジェクターも設置しています。65インチのテレビでは好きな番組や映像を見つつ、100インチのプロジェクターで映画を楽しんだりと、テレビ好き映画好きも納得の客室です。
ミラーリングにも対応しているのでスマホ画面や動画を大きなTVに映せます。
また、家電でいえば客室内に洗濯乾燥機を完備しているので、着替えの荷物も少なくて済みそう。
無料サービスが充実していることも特徴。まずロビーには25種類から5つ選べるアメニティバイキング（客室に基本アメニティは完備）が、宿泊者には朝のパン・スープもロビーで提供されます。選べる安眠枕、選べるシャンプー・リンス・ボディソープも。なんとオープン記念で赤白ワインまで無料（期間限定）。
気になる料金ですが、8月31日まではオープン記念でお得な価格。2名利用プランでひとり11,400円～、4名利用プランでひとり6,800円～（税込み）とリーズナブルです。お盆期間にもまだ空室を確認（8月8日現在）。繁忙日も過度な料金アップがないので安心感があります。
パーティー・女子会・ママ会に
また、3時間や5時間利用という設定もあり、ちょっとしたパーティーやキッチンを使ってのホームパーティー、大画面でのスポーツ観戦、オフ会、ビジネスミーティングなど利用法もバラエティ豊かです。1フロア1部屋なので遠慮気味にならずのびのび過ごせるのも嬉しい点。飲食物の持ち込み自由、デリバリーの注文も可、洗い物や片付けを気にせず時間たっぷり過ごせそうです。
また、ママ会にもピッタリのホテルです。バリアフリーでフラットな床なので、小さな子供連れでも安心という点のほか、備品を見ると子連れファミリーにフィーチャーしていることがよくわかります。ベビーベットや専用ベビーカー置き場に加え、キッチンスペースに子供用の食器、ミルク用のケトルが完備されています。他にも各種おもちゃ・絵本・子供用タブレット・おむつ台・無料おむつ（S/M/L）・ノンアルコール除菌シート・授乳クッション等々至れり尽くせりの内容。ホテルとは旅行者だけのものではないことを教えてくれます。
既存のホテルにはないスタイルで、新たな価値を提供する施設が増える中、一定のターゲットにフィーチャーするホテルが際立ってきました。間取り、備品、料金設定なども含め、大いなる差別化の中に秀逸なゲスト目線の追求が見られるのは、利用者としては嬉しい限りです。
