集団自決に性接待も、旧満州語る 17日講演会、小田原

 戦前・戦中に、国策で旧満州(中国東北部)に入植した「満蒙開拓団」を女性の視点から振り返る講演会が17日、小田原市民会館(小田原市本町)で行われる。「8月15日を考える会」の主催。

 満蒙開拓団は、1931年の満州事変後、「王道楽土」「ユートピア」などの政府宣伝のもとに日本から旧「満州国」に送り込まれた開拓移民団で、約30万人いたとされる。45年8月9日のソ連参戦以降、侵攻してきたソ連軍によって集団自決に追い込まれたり、女性が「性接待」をさせられたりする開拓村もあった。

 講演会は3部構成。第1部は満蒙開拓平和記念館(長野県)の三沢亜紀事務局長が開拓村の歴史や同記念館の語り部活動などを説明。第2部は東京女子大の池川玲子講師が、当事者の告白などで近年明らかになってきた性接待の事実にスポットを当てる。第3部は三沢事務局長と池川講師との対談や会場との質疑応答などを行う予定。

 同会は「近年の告白は、MeToo運動などで犠牲になった人が声を出すような、世の中が変わりつつあることの反映ではないか。戦争の時にどうしても隠されてしまう女性たちの体験を知ってほしい」と話している。

 午後1時半開始。参加費千円。問い合わせは、同会事務局・檜山さん電話090(4415)1839。

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