伊豆半島をホームフィールドとする村越正海さんとともに、夏休み釣行として、熱海沖に浮かぶ小島、初島へプチ遠征。ターゲットは、磯でイージーに楽しめる魚、ムラソイ。秘儀「わたがし釣法」で、良型ムラソイ捕獲なるか…!?
熱海から定期船に乗船。夏休みを満喫する観光客に混じって初島へ
初島は、熱海沖約10kmに浮かぶ、周囲約4kmの小さな離島。夏休みシーズンということもあり、朝の第一便にも関わらず、乗船者は多め。観光客に混じって釣り人の姿もチラホラ見える。
「釣り人のほとんどは堤防に行くと思うよ。船が着いたらみんなダッシュで釣り座を確保しに行くのがいつもの光景だね」
学生時代から通っているという村越さんにとって、初島は勝手知ったる庭のようなもの。村越さんが会長の釣りクラブ「シーバス・ファイティング・クラブ」の例会も、年に一度はこの初島で行っているという。
「夏前くらいにね、毎年初島でムラソイ例会をやるんだけど、暑くてね。で、クーラーボックスにキンキンに冷やしたビールを入れて持って行って、10尾釣った人から抜けられて、ビールを飲めるというルールにしてるんだけどさ。みんな、飲みたくて黙々と釣り続けるよね。なかなか10尾を達成できないと悲惨だけど(笑)」
激戦区の初島港はあえて避けて、釣り人が全くいないゴロタ浜へ
富士急行が運航する定期船「イルドバカンス3世号」が初島港に接岸。村越さんの言った通り、観光客や海水浴客の間を縫うように走り、堤防の釣り座を確保しに行く釣り人の姿も見える。
「我々の行くゴロタ浜には、ほとんど釣り人が来ない。見たことがない。貸し切り状態だから、急ぐ必要ナシ」
15分ほど歩いて、島の西側のポイントに到着。ちなみに、初島には釣り禁止のエリアが設定されているので要注意。詳しくは、下記の初島ポータルサイトで確認して頂きたい。
アクティビティ - 初島に行こうよ。〜熱海から25分 FUJIKYU MARINE RESORT
「ムラソイは裏切らない。いつでも、期待に応えてくれる稀有なターゲット」
10分、15分歩いただけで、港の喧騒が嘘のように静かな浜が広がる。事前の予想通り、ポイントとなるゴロタ浜には釣り人も観光客も全くいない、貸し切り状態。
「ムラソイは数あるルアーフィッシングのターゲットの中でも、群を抜いて釣果率の高い魚。しかも、楽しい。誰もが夢中になっちゃう。ルアーフィッシングを始めたばかりの人には特にオススメだよ」
百選練磨の村越さんをも夢中にしてしまうという言葉通り、準備を終えるとすぐに、黙々と磯の隙間にルアーを通し始める。反応がなければ次、さらに次、さらに次…。
「おっ! 出てきた! あっ、ダメだ~! ルアーを見に来たけど、一瞬で隙間に戻っちゃったよ! 悔しい!」
悔しいとは言いつつも、村越さんの表情を見ると本当に楽しそうだ。ムラソイが潜むのに適した岩の隙間は無尽蔵にある。その中のどれからムラソイが飛び出してくるかはわからない。このドキドキ感が、ムラソイ釣りを延々とやってしまう麻薬的な魅力の1つ。
「使うルアーはジグヘッドリグか小型のミノーがおススメ。1mほど垂らしを出して、左手でラインを引きながら長さを調整。竿先を、岩の隙間に入れて、ルアーを素早く操作する。綿あめを作る操作に似ていることから、わたがし釣法とも呼ばれているね。おっ、ヒットヒット! 今度はガッチリと掛かったよ!」
ムラソイがコンスタントに反応してくれるため、つい時間を忘れて釣りに没頭。気が付くと、予定していた帰りの船の時間。
「えっ、もうそんな時間…!? 数は十分釣れたけど、ちょっと、サイズ的に納得できてないんだよねぇ~」
し、しかし明日はキハダを狙いに相模湾へ出ないといけないから、そろそろ帰った方が…。
「だよね…。じゃあ、あと2投だけして帰ろう!」
あと2投の宣言からさらに5投する村越さん…。マジで、船に乗り遅れます!
「ゴ、ゴメン! よし、船着場へ戻ろう!」
あらゆる釣りを経験してきた村越さんでも、面白くてやめられなくなるムラソイゲーム。この夏、挑戦してみてはいかがだろうか?
ルアーマガジンソルト2019年10月号に、さらに詳しい記事が掲載予定!
8/21発売のルアーマガジンソルト2019年10号では、今回の実釣の様子をさらに詳しく掲載。また、記事中でも触れた、次の日、相模湾で狙ったキハダ実釣の内容にも触れています。ご興味のある方は、是非ご一読を!