ズボラさんでも失敗なし?! 『不思議なめし袋』を使って山で炊飯してみたら… 登山では食材の運搬や調理が大変なので、下界と同じようにはいかないことが多い山ごはん。“炊飯”も手間がかかることの代表です。アルファ米などの便利な白飯もありますが、味が苦手という人もいるよう。「山でも手軽においしい白飯が食べたい!」ということで、普段はアルファ米頼りの編集部員が、簡単においしいご飯が炊けると噂の便利グッズで炊飯に挑戦! ズボラ登山者でも失敗せずに炊き立てふっくら白飯にありつけるのでしょうか!?

アルファ米もいいけど、炊き立ての“ふっくら”ご飯が手軽に食べられたらいいのにな~

みなさんは山で白飯が食べたいとき、どうしていますか?

面倒くさがりの編集部員荻原は、お湯を入れるだけで食べられるアルファ米やフリーズドライに頼りがち。本当は炊き立てのふっくらとしたご飯が食べたいのですが、クッカーでの炊飯は手間がかかるし、ちょっと気が重いんですよね。「もっと手軽に山でご飯が炊けたらいいのにな~」なんて思っていたところ、気になるアイテムを発見しました!

その名も『不思議なめし袋』

「お米をとがずに20分間沸騰させるだけでごはんができます」
「水加減・火加減不要で失敗なし!」
「どんなクッカーでも失敗なし!」
「高地でも芯が残らない!」

パッケージには、そんな魅惑の言葉がずらり。発売しているのは山好きにはお馴染み、アウトドア用品総合メーカーの<ユニフレーム>ではありませんか。これはまさに登山にぴったりの予感です。

ということで、即購入! 気になる中身は?

パケージはちょっと異なりますが、同じ商品のよう。

セット内容はこの3つ。
➀袋20枚
➁竹串20本
➂計量カップ

この袋でおいしいご飯ができるなんて半信半疑ではありますが、山で試してみることにしました。

本当に“失敗なし”でご飯が炊ける? 『不思議なめし袋』実演レビュー

パッケージの裏側に、袋の使い方が丁寧に記載されています。早速、手順通りにやってみましょう!

ステップ1|米の計測

まずは、付属の計量カップで米の計測。カップのすり切り一杯で3分の2合(約100g)、外側の黒線までで2分の1合(約75g)です。今回は3分の2合でチャレンジ。なんと、米をとぐ必要はないそう。ひと手間省けるのはうれしいですね!

ステップ2|竹串留め

米を入れる袋は、ポリエステルの不織布。張りがあってしっかりとした手触りです。

(目視では見つけにくいが、触ると穴があることが分かる)

袋には6カ所の穴が空いています。米を入れたら袋の上部を折り返し、3分の2合の場合は黄色のマル部分(上孔)、2分の1合の場合は青色のマル部分(下孔)を赤色のマルと合わせます。

(上孔に竹串を通した状態)

穴に竹串を通して、口を閉じれば準備完了。

山で米の計量をするのは面倒なので、自宅で袋に入れて串で留めた状態で持ち運ぶのが◎。

ステップ3|湯だき

ここからいよいよ炊飯スタート。クッカーに湯を沸かします。水の量に決まりはなく、湯だき中にお湯が減ってきたら水を足せばいいそう。山では残り湯の処理が大変なので、ひとまず袋が浸るくらい(使用したクッカーでは400ml)にしてみました。

沸騰した湯の中に、封をした袋を投入! 蓋をせずに、20分間沸騰させます。

▼10分経過

袋が膨らんできましたね。お湯がだいぶ減ったので、袋が浸るくらいまで水を追加。

▼15分経過

完成までもうちょっと。ここでまた水を追加しました。

ステップ4|蒸らし

20分が経過したところで、湯だき終了!

加熱を止めて、お湯を捨てます。といっても、山では残り湯を捨てられないので…

白飯のお供、フリーズドライの親子丼とみそ汁に残り湯を使うことにしました。

親子丼には100ml注ぎます。そして、ここでまさかの事態が!!

みそ汁用のお湯が足りませんでした(笑)。思っていたより残り湯が少ないとは思ったのですが…凡ミスです。後ほど沸かすとします。

お湯を抜いたら、蓋をして5~10分蒸らします。

5分経ったところでオープン!

中のお米がどうなっているのか、まだよく分かりませんね。

ステップ5|できあがり

袋が少し冷めたところで、竹串を外してご飯を取り出します。

開けてみると袋にくっつくこともなく、するっと出てきました。しっかり炊けている様子。見た目は完璧なのではないでしょうか。

いよいよ実食! はたしておいしく炊けているのか!?

恐る恐る食べてみると…

「正真正銘、ふっくら白飯です!!!」

芯や炊きムラもなく大成功! 炊飯器で炊いたご飯と比べてしまうと、ぬか臭さはゼロとは言えず、やや水っぽい感じはありましたが、気にならない程度。火加減も水加減もなんとなくで作ったのに、このクオリティには感動しました。

残り湯で作った親子丼をかけたら、本日の山ごはんの完成。

(足りなかったみそ汁のお湯も沸かしました)

山で食べる炊き立てふっくらのご飯は最高です! アルファ米やフリーズドライでは、この満足感は得られませんね。

『不思議なめし袋』のふ・し・ぎ

不織布の袋でおいしいごはんが炊ける仕組みが気になりますよね? パッケージの裏側で、その秘密が明かされていました。

お米を研がずにおいしく炊ける理由
ぬかは、袋の小さな穴から袋の外に排出され、袋の外で大きく膨らみます。膨らんだぬかは袋の中に戻らないので、ぬかを取る(=米を研ぐ)必要がないのです。
お米が袋の容積まで目一杯に膨れ、余分な水分を含まないように作用し、満足できる食味で仕上がります。
引用:不思議なめし袋

魅惑の言葉は本当だった!『不思議なめし袋』総評

『不思議なめし袋』のパッケージに記載されていた魅惑の言葉を覚えていますか?

実際に炊いてみた結果、まさにこの通り。とにかく簡単で手間がかからないのがうれしいところ。期待を上回る実力でした。今回は低山での実演だったので「高地でも芯が残らない」かどうかは実証できませんでしたが、きっと記載通りのはず。

(20枚で1000円なので、1回あたり50円)

クッカーを焦がす心配がなく、後片付けも楽ちん。ゴミが少ないのもいいですね。この袋は、燃やしても有害ガスは発生しないため燃えるゴミで捨てられるそう。使用済みの袋は生ごみの水切りネットとして活用できるのだとか。

気になったところをしいてあげるなら…

(1000mlあったボトルの水が300mlに)

水とガスの消費量でしょうか。結局どのくらい水を使ったかというと、最初の湯だき分+2回の継ぎ足し分+足りなかったみそ汁分=700mlでした。持参するとなるとやや多い印象なので、水場のある所での調理がおすすめです。

また、20分湯だきするので、それなりにガスも消費します。ただ、おいしいご飯を食べるためなら積極的に活用したいところです。

白飯好きは『不思議なめし袋』を試してみるべし!

(今後、出番が増えそうな『不思議なめし袋』。だいぶ昔から存在していたよう)

『不思議なめし袋』があれば、山ごはんの幅がグッと広がるはず。以前に挑戦したポリ袋での炊飯よりも、断然おいしく簡単にできました。アルファ米の味が苦手な人にもおすすめです。山で炊き立てのふっくらご飯を食べたい人は、ぜひ一度試してみてください!

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