「みなちゅーTV」南島原PR番組 終了へ惜しむ声 地元の男性コンビ出演、軽妙なトーク人気

廃校になった小学校を撮影・編集スタジオとして利用している=南島原市深江町

 長崎県南島原市がシティープロモーション事業の一環で民放向けに制作している情報番組「みなちゅーTV 南島原中学放送部」の放送が9月28日で終了する。地元在住の男性コンビがパーソナリティーで出演。軽妙な語り口でおもしろおかしく古里をPRする人気番組の幕に、市民から惜しむ声が上がっている。
 パーソナリティーは、理容店と映像事業を営む小田原孝幸さん(42)と、小田原さんの同級生の弟でUターン組の市職員、小田英夫さん(37)。2人が出演している地元コミュニティーラジオ、FMひまわりの番組「南島原中学放送部」の質の高さを知った長崎国際テレビ(NIB)のスタッフがテレビ化を提案し、今年2月から週一回、土曜日の深夜に約2分半放送している。
 7月末までの半年間に計26回放送。2人は仕事の合間を縫い、廃校になった小学校を拠点に週1回のペースで取材撮影と編集を自ら手掛け、「西有家町八十八ケ所霊場巡り」「世界に数カ所 伝説の白洲」「大人気ユーチューバーと南島原を巡る」などのテーマで南島原の魅力を視聴者に届けている。
 市などには番組終了を知った視聴者から「地元のお兄ちゃんによる地元目線の通な番組。地元民でも知らない情報もあり、すごく寂しい」(50代男性)、「芸人と思っていたら地元の人だと知ってびっくり。2分半の中に南島原の良さが凝縮されている。ユーチューブなどで続けてほしい」(30代女性)などの声が寄せられているという。
 市秘書広報課の吉岡宏真さん(37)は「親しみやすい人柄もあり、市外からの反響に加え、地域住民にも好評を得ている。郷土愛の醸成にも寄与している」と感謝している。
 小田原さんは小田さんを「島原半島の秘境をブログで紹介するなど調査能力に優れている」と評価。小田さんも小田原さんを「好奇心旺盛。撮影技術が高い」と認めている。2人は「テレビ化なんて想像もできなかった。海と山、太陽など大自然に恵まれた南島原にはまだまだ知らない場所やおいしい食べ物、そして、魅力的な人がいる。コアな情報をまだまだお届けしたい」とラストスパートを誓う。
 バックナンバーは動画投稿サイト「ユーチューブ」の公式チャンネル「みなチューブ」で公開している。

南島原市のPRに貢献している「みなちゅーTV」。パーソナリティーの小田原さん(右)と小田さん(ODAWARA FILM提供)

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