【注意】各地で相次ぐ水難事故。台風シーズン『夏』の釣りは慎重に お盆休みや子供の夏休みなどと重なる『夏』ですが、実は台風シーズンとも重なるこの季節は、慎重な釣行計画を立てないと予期せぬ水難事故にあってしまう可能性も。そこで今回は、安全に釣りを楽しむための釣行計画の立て方や必要な装備品などをご紹介していきます。

各地で多発する釣り中の事故

2019年8月10日〜12日までの三連休。お盆休み序盤にあたるこの時期、各地で釣り客の水難事故が発生しました。

2019年8月11日:岩場で釣りをしていた男性が波にさらわれ行方不明に(神奈川県三浦市)
出典:朝日新聞デジタル
2019年8月11日:防波堤での釣り中に転落。消波ブロックの隙間で見つかるが……(福井県敦賀市)
出典:福井新聞
2019年8月12日:岩場で釣りをしていた女性が波にさらわれる(静岡県伊東市)
出典:産経ニュース

……など

事故の理由はさまざま。しかしながら、この3日間、日本に接近してきていた台風10号の影響も重なり、各地で水難事故が相次いだと推測されます。

7月〜10月は台風シーズン

お盆と重なるこの時期は、台風の発生件数が多い時期。

例として、2017年〜2018年に発生した台風が、国内のいずれかの箇所に接近した件数を、以下にあげてみました。

  • 2017年,2018年
  • 7月,4件(1件),4件(1件)
  • 8月,7件(1件),2件(2件)
  • 9月,2件(1件),2件(2件)
  • 10月,2件(1件),2件(0件)

※()内は上陸した件数
お盆のほか、9月や10月といった時期も台風の件数が多くなっています。

釣り物が多いこの時期は、休みを利用して釣り出かけたくなる気持ちと相反して、悪天候が重なりやすい季節なのです。

事故に合わないためにできること

釣りが自然の中で遊ぶアクティビティーである以上、常に危険が伴います。

しかしながら、台風の影響などを避けるなど、できる限り事故を回避するためにできることは数多くあります。

ここでは、水難事故をできる限り避けるためのポイントを紹介していきます。

不安要素がある日の釣行は避ける

天候はもちろん、波や風などの情報は事前確認するようにしましょう。

場所や個人の経験値の差にもよって釣行を断念する最終的な基準は異なりますが、波の高さ1メートル以上ある日やうねりを伴っている日、川の上流部で豪雨が発生している時などは、危険を伴う可能性があります。

以下の方法で、より詳細な天候や海、川の状況を確認し、釣行を決行するか否か、しっかりと検討するようにしてください。

予報サイトや予報アプリで確認する

波や風などは気象庁のWebサイトをはじめ、さまざまなWebサイトやアプリケーションで確認できます。

中でも『WINDY』では、視覚的にもわかりやすく、天候の状況や時間帯ごとの変化を確認できるためおすすめです。
『WINDY』はこちら

ウェブカメラで確認する

各市区町村では、防災情報発信のために各地域の様子を映し出したライブカメラを設置していることがあります。

ウェブカメラでは、実際の河川の水位や波の状況を確認できますので、実釣可能か判断する一つの判断材料にできるでしょう。

▼ 例)伊豆の場合、以下のサイトなどが該当します。

『西伊豆町役場のライブカメラ』はこちら『東伊豆町役場のライブカメラ』はこちら

河川の水位を確認する

国土交通省では、河川の水位をリアルタイムで更新している『川の防災情報』というサイトを運営しています。

『川の防災情報』では、川の水位はもちろん、上流部での雨量やダムの放流情報など、河川の状況を判断するための様々な情報が掲載されていますので、川に出かける前に確認してみてください。

『川の防災情報』はこちら

万が一に備えた装備を着用する

事故は予期せぬタイミングで起きてしまうもの。

そのような事態に陥ってしまった際、被害を最小限に抑えるための装備品を揃えておくことも重要です。

ライフジャケットの着用

足場の悪い岩場や滑りやすいゴロタ浜などでは、固定式ライフジャケットの着用をおすすめします。

固定式ライフジャケットは分厚い浮力体がついていることにより、転倒や落水時の衝撃をある程度やわらげます。
推奨していませんが、消波ブロックの上に乗って釣りすることがある方も、落下時の衝撃を和らげるために固定式ライフジャケットを装備してください。

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滑りにくい靴を着用する

岩場や濡れた足場の上で釣りをする際は、いわゆる磯靴と呼ばれる靴底にスパイクやフェルトといった素材が使われた靴の着用がおすすめ。

普段靴よりも、滑りやすい足場でしっかりとグリップします。靴底の種類は主に実釣するフィールドに合わせて選んでみてください。

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肌を露出しない服装をする

肌を露出していると、転倒や落水時に出血を伴う怪我をしてしまう可能性が高まります。

夏場であればラッシュガードなどを着用し、肌を露出しないように心がけてください。

そのほかにもグローブやゲーターなど、手足の怪我を防ぐことができるアイテムなども合わせて着用するのもおすすめです。

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危険な場所には近づかないことも重要

先ほど、ライフジャケットの話で触れた『消波ブロック』。

足場が悪く、転落した際に強く体を打ち付けたり、最悪の場合ブロックの間に挟まって脱出が困難になる事も。消波ブロックの先にいいポイントがあっても乗らないようにしましょう。

また、同様に足場が悪い磯場などへの釣行には、できる限り単独での実釣は避け、不測の自体に備え複数人で釣行することをおすすめします。

安全な日に、万全の準備をして楽しもう!

せっかく良い魚を釣ったとしても、事故が起きてしまえばせっかくの思い出が台無しになります。

特に台風などの悪天候が重なりやすい夏は、波や風の影響などを把握し、できる限り安全な日にしっかりと装備を整えて釣りに出かけることをおすすめします。

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