南部九州総体 なぎなた 松浦 価値ある銅 エース舩原 骨折押して奮闘

【なぎなた団体準々決勝、松浦―川辺】代表戦で積極的に攻める松浦の舩原=那覇市、沖縄県立武道館

 全国高校総合体育大会(インターハイ=南部九州総体)第17、18日は12、13日、沖縄、鹿児島など3県で3競技が行われ、長崎県勢はなぎなた団体の松浦が3位入賞を果たした。松浦のインターハイのメダル獲得は3年ぶり2度目。

 ■エース舩原 骨折押して奮闘

 メダルの色以上に価値ある3位入賞だった。なぎなた団体の松浦が準々決勝で判定までもつれる接戦を制し、準決勝は圧倒的な地の利がある首里(沖縄)から一時リードを奪う大健闘。板垣監督は「本当によくやってくれた。褒めてあげたい」と称賛しきりだった。
 原動力になったのはエース格の舩原だ。2日前の予選リーグ1戦目で右足小指を骨折。個人戦を欠場する事態に追い込まれたが「団体だけは」と強行出場すると、決勝トーナメント1回戦で鋭いスネを決めて一本勝ち。代表戦を任された準々決勝も、果敢な攻めで判定勝ちを収めた。
 ここで舩原の足は限界に達し、準決勝は車いすの上から見守ることに。だが、今度は触発された他のメンバーたちが奮起した。
 準決勝の首里戦。主将の先鋒本間は相手のなぎなたをはじき飛ばす気迫を見せ、中堅瀧下は鮮やかな面で両チームを通じて初のポイントを奪取。大将嶋田は個人優勝の強敵と引き分けた。V2を達成した地元代表を、あと一歩まで追い詰めた。
 快進撃に終止符が打たれると、選手たちは一様にタオルで顔を覆い、静かに涙した。「3年間なぎなたをやってきて、競技者としても人としても成長できた」(本間)。少しの悔しさと、それをはるかに超える達成感が、汗と一緒に頰をぬらした。

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