『こんなに違うとは・・・』テーピング講習会に参加して感動した3つのポイント! 登山中に足を捻ってしまったなど、怪我の処置のためにテーピングをザックに入れている人はたくさんいます。ですが、「テーピングを巻けるか?」と聞かれると、正直自信はないという方も多いのではないでしょうか?自信を持って対応できるようになるためには、講習会に参加するのがおすすめです。今回は実際に体験して感じた「参加すべき3つの理由」を見ていきましょう。

大きな声では言えないけど、テーピングの巻き方には自信がない・・・

岩場や木の根っこだらけの道など、山の中には転んで怪我をしてしまうリスクがあります。警察庁が発表している『平成30年における山岳遭難の概況』によると、転倒は遭難の原因として第3位(468人)。

さらに「遭難はしていないけど、足をひねった」くらいのものも含めると、人数はさらに増えると考えられます。

テーピング正しく巻ける?

長い距離を歩く登山において、足を怪我してしまうのは大きな痛手。そのため、ファーストエイドキットの中にテーピングを入れているという人は多いんです。
だけど「テーピング持っているけど、実は巻けるかは自信がない・・・」なんて心当たりがある人、意外といるのではないでしょうか?

自分やパートナーの怪我の処置を行うテーピング。いざという時のために、きちんと使い方を身に着けておきたいものです。

テーピングは教えてもらうのが断然いい!

動画やYAMA HACKの記事でも、各種テーピングの巻き方の紹介をしています。しかしながら、できれば講習会に参加して、テーピングの巻き方を教えてもらうのがおすすめ。

今回は、編集部員が講習会に参加して「これは良い!」と感動した3つのポイントを紹介します。

今回参加したのはこの講習会

日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)ケアルーム設立に携わったり、日本山岳会、東京都山岳連盟などの団体や、jRO(日本山岳救助機構合同会社)提供のイベントでテーピングの講師を務めるなど、安全登山に関する活動を行っている医療マッサージ研究所の岡田智一さん。今回は、そんな岡田さんが主催する「実践から学ぶ!!テーピング勉強会」に参加してきました。

WEBだけでは学べない?3つの感動ポイント!

動画や記事などでテーピングのやり方を調べられるこの時代に、わざわざ講習会参加するメリットって何なのでしょうか?

【1】不安なく正しい方法で練習ができる

今回の参加者は全部で6名。少人数での実施だったため、岡田先生の目の届く範囲でテーピングの練習をしていました。

「テーピングは、くるぶしの後ろと前どっちを通るの?」「これであってるのかな?」などのちょっとした疑問や不安があっても、すぐに正しい方法を確認可能。

そのため、迷いなく正しい方法を繰り返しできるので習得が早くなります。

大迫

動画や記事だとやり方はわかるけど、自分のやり方が本当にあっているのか不安なんですよ。なので、専門の人に正しい方法を確認できるのはイイ。

テーピングを始める前に、岡田先生がお手本を見せてくれました。

大迫

上手で正しい方法を見本として見られるのは重要。撮影しても良いので、家に帰って復習する時も便利です。

【2】”理由”がわかるから、理解が深くなる

(模型などを使いながら解説)

テーピング方法を教えてくれる時もやり方だけでなく、身体の構造を説明しながら「なぜ、こうするのか」「こうしたほうが良いのか」ということを説明してくれます。

大迫

「アンカーテープ(※1)を貼る時に、どうして足を90度にしないといけないのか?」など、具体的な例を出しながら解説してくれるので納得感がある。

※1)テーピングの土台となるテープ

これは、テーピングの前に手に力を入れた時とそうでない時の締め付け具合を、左右の腕で比較している様子。

力を入れていない状態でテーピングを巻いた時は、テーピングを巻いてから力を入れると筋肉が膨らむ分、窮屈に感じます。ですが、テーピング時に力を入れておくとテーピング後に力を入れてもあらかじめその状態でテーピングをしているため、突っ張り感がありません。

このように理由とそれを体験できるので、大切なポイントとしても記憶に残りやすくなります。

大迫

言葉だけでなくどれくらい違うのかを体験させてくれるので、わかりやすいし記憶に残る。

【3】大きな差を生む”ちょっとしたコツ”も知れる

「テーピングを巻く時に、たわみができてきれいにならない」「アンダーラップを巻いていると、端が丸まってうまく巻けない」など、スムーズにテーピングを巻くコツなど知ることができます。

大迫

テーピングって使い慣れてないと、きれいに巻けないんだよね。長年の経験から、簡単にできる解決方法とかを教えてくれるから、変に時間を取られず練習に集中できる。

関節や筋肉の動きを制限するテーピングでは、テープの引っ張り具合も大切。1本のテープでも足の裏は優しく貼って外側は強めに引っ張るなど、怪我の内容などによって変わってきます。

すべての例を解説できるわけではないですが、具体的な怪我の症状などを踏まえながら教えてもらえるのはとても貴重です。

大迫

今回は「登山で怪我をしたら?」という視点で、内反捻挫のテーピング方法について、テープの細かい扱い方まで教えてもらいました。ちょっとしたテープの持ち方だけでも、テーピングのやりやすさが変わるから、実際にやっている人のコツや注意点を知れるのはありがたい。

気になる参加者の感想は?

今回参加していた方にも、参加理由や感想を聞いてみました。

女性:今回が初めての参加

今回が初参加という女性。参加した動機や感想などを聞いてみました。

膝とかが心配で参加したんですけど、今回は足首のテーピングが中心だったので少し違いましたね。でも、マスターできたら役立つなと。

実はもっと簡単なものを想像していたので、私には少し難しく感じました。でも、血管とか骨のこととか、テーピングの時に注意しないといけないことを教えてもらえてよかったです。

覚えておいて損がないことなので、練習しないとな~って思っています。

男性:2回目

次は、参加2回目の男性にリピートした理由を聞いてみました。

やっぱり何回かやらないと身につかないので、復習のためにきました。

あと、自分は下山時に痛みがあるんですけど、登山に特化しているのもいいですよね。アドバイスもピンポイントで具体的なものがもらえるので。

自信を持ってテーピングできるように練習をはじめよう!

正直、一度の参加だけでテーピング方法をマスターできる!ということは厳しそう。ですが、講習会は自分だけでは知り得ない情報を効率的に教えてもらえる良い環境でした。
こんな風に活用すると、難しく感じるテーピングもスムーズに上達していくのではないでしょうか?

①参加する前に、あらかじめ動画や記事でテーピング方法を予習しておく
②講習会に参加して、①で感じた疑問点や難しいポイントなどを質問して改善する
③定期的に復習する

テーピングは怪我をした時の方法だけでなく、予防のためにも効果的です。万が一の時に自信を持って対応できるように、まずはテーピングの練習を始めてみましょう。

今回は岡田さんの講習会に参加しましたが、その他にもいろんな場所で講習会が行われています。近くのものがあれば、一度参加してみてください。

岡田先生

怪我をした時に対応できるようにすることはもちろんですが、いろんなことにチャレンジしていただくために、自分の身体に興味を持って欲しいんです。テーピングもそのひとつの方法。

今後は実際の山の中でどうする?みたいな内容の講習もやっていきたいと思っています。

取材協力:岡田智一さん/医療マッサージ研究所

あん摩・マッサージ・指圧師の国家資格取得後、鹿島建設アメリカンフットボール部にて、トリートメントスタッフとして働く。その後、国立競技場のトレーニング指導員を経て、現在「あかね鍼灸治療院」勤務。

日本山岳会、東京都山岳連盟などでテーピングの講師を務めるなど、登山に関する講習も精力的に行っています。

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