終戦の日の15日、太平洋戦争開戦時の内閣総理大臣だった東条英機元首相を曽祖父に持つ東條英利さん(46)=東京都=が県護国神社(富山市磯部町1丁目)で講演し、一家の苦悩や家族への感謝の思いを語った。
英利さんは「曾祖父、東條英機の遺産」と題して講演。終戦後、東条元首相が極東国際軍事裁判(東京裁判)でA級戦犯となり、家族が世間からの批判にも耐えて生活してきた過去について逸話を交えて紹介した。「今の私があるのは、家族が苦労しながら生きてきた証」と話した。
集まった参拝者を前に、「個の時代と言われる現代は家族のつながりが減り、墓参りに行く習慣も少なくなっているのはもったいない。ご先祖に感謝する機会にしたい」と締めくくった。
講演は、英利さんが全国各地の神社で取り組む日本文化の啓発活動の一環で、県護国神社を訪れたことがきっかけで同神社が開いた。