「漫然運転傾向が高く危険」 高齢ドライバー14人中5人

記録された自分の運転を確認してアドバイスを受ける参加者ら=大和市役所

 申し込みが相次いでいる大和市の高齢ドライバー対象の安全運転診断で、その結果などを伝える面談が13~15日、市役所で開催された。70歳以上の14人が参加したが、うち5人は5段階評価で2番目に低い「漫然運転傾向が高く危険」と指摘された。事故回避に有効な交差点での予測運転などについてアドバイスを受けた参加者は、あらためて日頃の安全運転の大切さをかみしめた。

 面談は、市が2017年度から年間5回、運転免許を持っている市内在住の70歳以上を対象に実施している「シルバー・ドライブ・チェック事業」の一環。6月下旬~7月上旬に参加者のマイカーに取り付けたドライブレコーダーの映像を基に専門業者が診断した結果について、市の交通安全教育専門員が個別に説明した。

 診断のチェック項目は▽交差点の信号確認▽車線変更▽車間距離▽一旦停止・徐行▽速度の五つ。順守状況を点数化、A~Eの5段階で総合評価を下した。

 今回の面談は本年度最初の募集になった6月分。東京・池袋で4月に起きた高齢ドライバーの重大事故などを受け、定員を上回る29人の申し込みがあり、抽選の結果、74~92歳の男女15人が参加した。

 市道路安全対策課によると、面談に出席した14人の総合評価は、9人がCランクの「交通ルールを漫然と違反している傾向」、5人はDランクの「漫然運転傾向が高く危険」だった。項目別では、交差点の信号確認や一旦停止を適正にしておらず、減点されるケースが目立ったという。

 赤信号の見落としがあってDランクの評価だった男性(84)は「思っていたよりも悪い結果だった。制限速度や車間距離に気を付け、これまで事故を起こした経験はない。肺や腰が悪くて車が必要だが、次回の更新時には免許返納を考えたい」と感想を述べた。

 参加者の中で最高齢だった男性(92)は「自分の運転を客観的に評価してもらえて参考になった。できる限り長く運転を続けたいと思っているので、車間距離が短いなど運転の悪い癖を直したい」とアドバイスに耳を傾けた。

 交通安全教育専門員の梅崎正志さんは「一つのミスが大きな事故につながることもある。例えば、本人は一時停止をしていたと言っても、ドライブレコーダーの映像を確認すれば徐行状態だったことが分かる。参加者に問題点をしっかりと認識してもらって安全運転への行動につなげてほしい」と話している。

 本年度は8月以降も4回、高齢者安全運転診断を無料で実施する。

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